「名人」の右膝 | ゴルフ直線打法

「名人」の右膝

練習場で目立って安定なショットを見せる「名人」がいました。ある日、この「名人」が周りにいる並のゴルファーに彼の秘法を開示しました。バックのスタートで、右膝をぐっと右に引いて固めるというのです。

右膝を内側に引いて置いて右脚に体重を掛け、腿を内側に回すと背骨も頭も右に引かれます。これでは腕に力が入らず、最悪のバックスイングの動きになります。そこで「名人」の言うように、始めに右膝を外側に引いて置いて右腿を内側に回すと、今度は尻の先端が左に引かれて右肩が上がり、肘が右に引かれる動きが現れます。これは良いバックの動きです。

この状態から、尻を緊張させて右グリップを引き下ろす動きを作ってみて下さい。右の大腿が外側に向けて踏ん張りながらグリップが引き下ろされます。動きの仕組みはともかく、とにかく「名人」の言うように右膝を外側に引いて固定して置けば、後は尻(背骨の下端)を上手く緊張させることで、良いダウンの動きに繋がる良いバックの動きを作れることが分かります。

こういうワンポイントの秘訣は、大いに歓迎されると思います。しかし、上体を右に回してスタートする癖があると、この秘訣も役に立ちません。重要なのは、バックを腹で引っ張るのか、背中で引っ張るのかの違いです。悪い動きでは腹で引っ張る形になり、良いバックの動きは背中で引っ張る形になっています。

尻の辺りの内部には、背骨の下端の尾てい骨に近い骨盤の後方下部を大腿骨の後方上部に結びつける強力な筋群があります。この筋群が緊張すると大腿骨が外側に回り膝を外側に引く動きが現れます。ダウンではこの動きを使います。したがって、バックではこの筋群を引き伸ばして置く必要があります。バックの背中の動きはこの筋群を引っ張っているのです。

正しい「魔法の動き」でバックをスタートすれば、膝が緩んでさえいなければ、体全体の動きで良いバックの動きに自然に入ります。腹で引くか背中で引くかの話にはインパクトの動きに繋がる重要な内容がありますから、次回にこれをより詳しく検討することにします。