仏像の姿に腕と背骨の繋がりを見る | ゴルフ直線打法

仏像の姿に腕と背骨の繋がりを見る

先日偶然に京都三千院を訪れる機会を得ました。金色不動堂で秘仏金色不動明王像の姿が目に入った瞬間に、その力強さに満ちた姿に深い感銘を覚えました。剣を縦に持つ右手の構えと同時に、拳を軽く右前方向に引いた左腕に何とも言えない安定感があるのです。この瞬間に、これは剣を構える右前腕回内の動きが引き出す力強さの感覚であることに気が付きました。

右前腕回内の動きが背骨を脚に繋ぎ、これが左前腕回外の動きを生むと共に、体を地面に固定する体勢を生み出しているわけです。優れた芸術的観察者の目は、この動きの特徴を的確に捉えていたものと思われます。

スイングの動きの構造を考えながらこの経験を思い出していると、ふと奈良と鎌倉の大仏の姿を思い出しました。与謝野晶子が美男と詠んだように、鎌倉の大仏は優しげな姿です。これに対して、随分昔の印象ですが、奈良の大仏は寄りつき難い程の強さを感じさせました。

あらためて奈良と鎌倉の大仏の姿を比べてみると、奈良の大仏の右手の平は前、左手の平は上に向いています。当然右前腕は回内、左前腕は回外しています。この動きでは背骨に緊張が発生し、胸が張り頭も引き上げられる力強い体勢になります。写真で見ると確かにこの形が認められます。体勢は異なりますが、この背骨の形はドライバーのバックのスタートで見られます。

これに対し、鎌倉の大仏は、両手の平が上を向く形で両手が組み合わされています。両前腕が同時に回外しているわけです。この動きを試してみると、背骨が前に撓み頭が下向きに傾く体勢が現れます。確かに鎌倉の大仏の姿勢にはこの形が認められます。これはパッティングの構えで現れる腕と背骨の動きです。鎌倉の大仏の優しさはこの姿が生み出しているのかも知れません。

人々が感銘を受けるこれらの優れた像を見ると、その作者が動きの実態について極めて鋭い観察眼を持っていたことが窺われます。この右手と左手の動きと体の体勢との繋がりが崩れた像の場合には、何とも言えない不安感を感じます。どこかが変だと体が教えるのでしょう。

ゴルフの動きの検討を通じて、物の動きを見る鋭い目が養えるとすれば、これで人生が益々豊かに感じられることになるのではないでしょうか。次回からは、ダウンの動きの詳細を含めて、スイングの動きの構造を文字通りに確定することを目指します。