スイングの大局観 | ゴルフ直線打法

スイングの大局観

これまで各部の動きを検討し、スイングの動きを組み立てることを試みて来ました。まだまだ細部の話はありますが、ここで一息入れ、実際にスイングを実行する時の動きを大局的に眺め直してみることにします。

スイングの動きをするゴルファーというシステムにとって、目的意識の生み出すボールの軌跡のイメージが最初のインプットになります。この入力をもとにスイングの動きが作られますが、これをバックスイングとダウンスイングに分けて考えてみます。ただしトップの切り返しがバックスイングの終局点になります。

ダウンスイングは、バックスイングの終局点で決まるダウンの初期条件を利用し、一気に実行します。その実行法はこれまでの議論のような各部の動きの検討で決まっているわけですが、実際のスイングでは避けられない誤差が発生します。というわけで、ゴルファーは統計的(あるいはストカスティック)な変動を含むシステムと見なすことができます。

急速な動きが要求されるダウンの過程では、動きの構造の調節は実用的には不可能です。したがって、ダウンの動きの作り方が安定していれば、バックスイングの終局点でダウンの初期条件すなわちシステムのパラメータが決まり、このシステムを駆動してダウンを実行するという見方が実用的になります。

調節するパラメータの数が少ない程、予想される出力の誤差は減ります。そこで、必要十分な少数のパラメータを選択してスイングを実行することになります。肩と腕の「魔法の動き」で腕を固めて振るのはこの目的にかなっています。

前回の議論(06-05-06)の内容から、バックスイングを腰から上の背骨の動きで実行し、トップの切り返しで脚腰の緊張を生み出し、尻の動きでダウン、という簡単な仕組みでスイングが実行できることが分かっています。この場合、トップの切り返しで、上体の右後方への動きに対し膝から下の緊張を保って脚腰が抵抗すれば、ダウンの初期条件が安定した形で決まります。

この初期条件を確保して安定にダウンを実行するには、トップの切り返しで決まる背骨の体勢と膝から下の緊張を保持したまま、切り返しで引き込まれた背骨の下端を尻で引き戻せばよいのです。このように動きを捉えると、
「背骨で上げ、脚でこらえて尻で振る」
という、鼻歌まじりでも実行できる単純なイメージが得られることになります。