トップの切り返しは不可解 | ゴルフ直線打法

トップの切り返しは不可解

普通は気がつかないままにクラブを振っていますが、スイングの動きの中で、一番不可解なものはトップの切り返しです。ゴルファーは宇宙空間に漂う地球にぶら下がってクラブを振っていますから(「スイング面」とは何か?(06-03-26)の図のイメージです)、脚腰の力を使ってクラブを振るには、地球を蹴飛ばすように押す必要があります。バックで脚腰が地面を下向きに押して腕とクラブを押し上げる、というのは納得できる感じがします。

しかし、立っていながら脚腰の動きで地面を押し下げる、という動きは難しいものです。そこで膝に撓みを持たせて膝から下を固めた体勢を作り、そこから膝を引き上げるように脚腰を踏ん張ってみます。右手の平で左親指を覆い、両手を握りしめてグリップの形に固めてこの動きを試すと、確かにバックの動きが現れることが分かります。

腕とクラブを引き下ろすダウンこそ脚腰の力を必要としますが、この時もバックと同じ要領で地面を下向きに押すしか力の出しようはありません。しかし、バックの動きのまま脚腰が地面を下向きに押し続けると、腕とクラブは更に押し上げられ続ける筈です。普通に考えればここで訳が分からなくなります。悩むこともなくクラブを振っているのは幸せな人なのです。

実は、このバックからダウンの転換を実現する切り返しの動きが、スイングの成否を分けます。そこでこの動きの仕組みを簡単に検討してみることにします。

この動きは、大きなスイングの動きで検討する方が分かり易くなります。そこで、始めに検討した両脚腰を固めた形のバックの動きで、左腕が肩の高さで水平に近くなるところ迄グリップを引き上げます。この動きでは、腰は左、胸は右に引かれるように背骨が捻られ、脚腰の緊張が高まります。この時地面を下向きに押す力は強まっています。

そこから左前腕を外側、右前腕を内側に回す(捻る)と、左肩が前、右肩が後ろに引かれ、上体が更に右回りに引かれます。この動きでは背骨の捻れが更に強まりますが、背骨の安定を保つために、これに逆らって背骨を元の位置に引き戻す脚腰の動きが現れます。この動きで両膝が左方向に引き戻されることが確認できます。これがトップの切り返しの動きです。

この動きで脚腰の体勢が「反転」したところで、バックの場合と同様に両膝を引き上げるように脚腰を踏ん張る動きを試みると、今度は一気にダウンの動きが現れます。目出度し目出度しです。「最小のスイング」(06-05-21)でも同じ仕組みで振られているのです。