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日本国憲法を変えようとする勢力とは、日本を昔の日本に変えたいひとたちのことである。安倍首相は、選挙スローガンを、「日本を取り戻す」としていたが、取り戻そうとしているのは、「軍国日本」のことであろう。
自民党が作り替えようとしている憲法は、現在の憲法で、「交戦権」を固く禁じているのをやめ、「自衛権の発動」をあらたに制定し、「自衛隊」をやめて、「国防軍」に変質させようとするのだから、「自衛」だけではない、出兵する軍隊、ということになる。
さらに「天皇」を象徴から、元首(国の代表、首長、首領)にするのだから、昔のように、天皇を先頭にした「軍国国家」にされてしまう。
1945年に終わった第二次世界大戦は、310万人の日本人死者と2000万人以上のアジアでの死者をだした。その深甚なる反省のうえに、「平和憲法」を獲得したのに、それを変えてしまえば、「元の木阿弥」、昔の日本に帰ってしまう。
岸と東条 68年前の敗戦の日まで、日本は軍隊が一番エライ国だった。軍人が首相に成り上がったのは、1941(昭和16)年10月の東条英機内閣成立だった。
陸軍大臣だった東条が首相になってから2ヶ月後に、「真珠湾奇襲攻撃」がおこなわれ、日本はそれまでの中国ばかりか、アメリカとも戦争にはいって、ドイツ、イタリアのファッショ政権以外、世界中の国を敵にまわしてしまった。
今回の自民党の「憲法草案」は、国民主権、基本的人権、表現の自由などを制限していて、良識あるひとたちを驚かせているシロモノである。
いまの安倍首相の祖父である岸信介は、中国から「偽満州」と否定されている「満州国」を建設した責任者のひとりである。
その家庭教育を受けた安倍首相は、支配者の家族として、戦争の悲惨を感じないですんだ一員である。むしろ、戦争犯罪人とされた祖父の名誉を、復権したい願望が強いと想像できる。
わたしが、この憲法草案でもっとも問題にしているのは、その「九条」に付け加えられている、「機密の保持」と軍隊内裁判所である「軍法会議」の新設、戦争への「国民の協力」(徴兵制や防衛隊の設置)である。
さらに、九八条の「緊急事態の宣言」である。これは「戒厳令」の発令であり、それも国会承認は、「事後」でもいいとされている。
関東大震災のとき、戒厳令が発令されて、在日朝鮮人が6千人も虐殺された。ほかにも憲兵隊によって、大杉栄、伊藤野枝、六歳の橘宗一、さらには、習志野騎兵連隊に、労働運動家が10人殺害された。
軍隊は恐ろしい組織である。