ブログは、
「発狂」したようだった。
読者登録は 3,000人を超えた。
PV は 1日、30,000を超えた。
常に、スマホは「通知音」で鳴っていた。
「異常事態」
確かに、
この頃になると、
世界中から「ファンレター」と呼ばれるメッセージが届いていた。
ブログを読んでるのは、「日本で」とは限らないってことだ。
もちろん、全て日本人ではあるんだけどね。
地球全土に、「日本人」・・・・「日本人妻」ってのは、いるわけで、
そんな人たちからメッセージが届いたりしていた。
・・・・で、
その、
「読者」に比例するように、
「アンチ」ってのも、蛆虫の如く湧いてくる。
ブログ上、
「アンチ」が荒れ狂っていた。
ボクは、
叩かれまくっていた。
「アンチ」は、
ボクの「素性」を調べようと躍起になっていた。
巷では、
「不倫ブログ」狩り。
そんな状態が起こっていて、
ブログから素性・・・
個人を特定され、
個人情報を晒され・・・・・それは、配偶者への「不倫」の暴露となる。
社会に対して、
「この人不倫してます」
その公開処刑となる。
そうして、
何人かのブロガーが・・・
「不倫ブログ」の書き手が血祭りにあげられ、退場していった。
・・・・ボクは・・・
ボクは、
「アンチ」が、動き出した時、
そういう空気を感じた段階で、
ブログを、
「書き直した」
「個人情報」
そこに繋がるような部分は、全て書き直し、
曖昧な表現・・・・煙幕を張るような文章へと書き直した。
しかし、
それが、なかなか難しい。
ブログの根幹に関わる部分もあるからだ。
例えば、
職業を変えてしまう。
これは、
まぁ、
簡単にできる。・・・・いや、これも、難しかったりするけれど、
その職業が、物語に「密接」に絡まってる場合もあるからだ。
一概に簡単に変えられなかったりするわけだけど・・・・
だから、
ボクの職業は変えられなかったけれど、
彼女の職業は、
「物語」の設定上、変えても支障がないので変えてしまった。
問題は、
物語と密接に絡んでくる「個人情報」の部分を、
どう、「煙幕」を張っていくかだった。
物語の中で、
彼女とは、ブログで知り合っただけだ。
お互い、どこに住んでいるかわからない。
そのうち、仲良くなって、
ボクが東京に住み、
彼女が宮城県に住んでいることを知っていく。
・・・・・その後に、
「東日本大震災」が起こり、
彼女は、連絡を絶ってしまう。
生きているのか・・・・・死んでいるのか・・・・
安否がわからなくなってしまう。
ボクは、
東北に、
彼女に会いに行こうと決断する・・・・彼女を捜し出そうと決断する。・・・・・安否を確認しようと思ったわけだ。
もう、
そうしないと、
居ても立ってもいられないって状況だった。
避難所を隈なく探して歩こうと決めた。
その時、
まさか、
闇雲に避難所を探すってわけにはいかない。
「エリア」を絞らなければならない。
・・・・つまりは、
彼女の住んでいる場所を探さなきゃならない。特定しなきゃならない。
ボクは、
彼女との、
「会話の断片」から、
彼女の住んでいる場所を特定しようと試みる。
・・・・そして、
「ここだ!」
「町」レベルまで・・・・少なくとも「最寄り駅」ってレベルまで特定していった。推測していった。
・・・・・そして、結局、それは、「正しかった」とあとでわかることになる。
「完璧に特定」していたことが後でわかる事になる。
・・・・・このシーンは、
ボクは、
物語の中での「見せ場」だと思っている。
だから、
最初、
ボクは、
そのシーンを「フィクション」を交えずに描いていた。
・・・・・しかし、
それは、
個人を特定する「カギ」になってしまうシーンでもある。
なんといっても、
地方は人口が少ないわけで、
すぐに、個人を特定できてしまう。
なので、
「アンチ」が・・・・「アンチ」って存在が見えてきた段階で、
急いで書き直していった。
物語の「エッセンス」を損なわないように、
巧妙に書き直した。
そんなことを、
とにかく、細かくやった。
微妙に、
わざと、
「右」と「左」
「上」と「下」
混在させるような書き方で、「ストライク」がわからないような仕掛けもしていった。
おかげで、
今日まで、
個人の特定はなされていない。
多くの、
「不倫ブロガー」
退場させられていった中で、
未だに、描き続けている。
読者登録は、 4,000人に迫る勢いだった。
1日、40,000PVに迫っていた。
不気味な・・・
なんとも気持ちの悪い、
「闇夜の髑髏」
毎日、
「いいね」が押されるようになっていた。
完全に、
「張り付かれていた」
それも、
記事が更新されてすぐに。
「見張ってるぜ」
通告するように、
毎日のように、
1番目に刻印されていた。
「アンチ」
蛆虫の存在は、
気分を滅入らせた。