「SEXが嫌いだった・・・」
彼女が言った。
・・・・そのあたりのエピソードは前に描いた。
前半戦。
初めて会った時のエピソードだ。
別に、
彼女に限らない。
「SEXが嫌い」
そういう女の人は多い。
男のSEXと、
女のSEXは違う。
身体の構造上、
女の人はSEXをしなくても生きていける身体になっている。
男はそうはいかない。
男は、オスは、
「射精しなければ生きていけない生き物」だ。
体内で、「精液」という命が、己が分身が造られていく。
勝手に作られ、勝手に溜まっていく。
女の人の生理は、
卵が自然に作られ、
妊娠しなかった卵は、自然に排出されていく。
女の人の生理は、自らが、何ら手を加えなくても、
自然に自己完結していく。
・・・・しかし、
男は、オスは、自然には完結しない。
自らの意思で「射精」を行わなければならない。
これを行わせる、自然の摂理で、「性欲」というものが生まれる。
「性欲」によって、射精を促すようにできている。
・・・・もしも、
男に、オスに性欲がなかったら、
身体に溜まった精液は、行き場を失い、身体に溜まっただけになる・・・・やがて精子は腐っていく。
・・・・体内が腐り病気となってしまう。
・・・・それを防ぐために、「夢精」というシステムもあったりするわけだけど。
体内に「精液」が満タンになる。
出したい・・・・出さなければ身体が腐ってしまう・・・
それを防ぐために「夢精」というシステムがある。
まだ、
自分で射精できない。
オナニーを知らなければ、
「夢精」によって放出するしかない。
男の「性欲」に、
全く、人格は関係しない。
「射精」しろ!
自然の摂理、神の創造によっての産物。
それが男の「性欲」だ。
「射精しろ!」
・・・・気持ちいいぞ・・・・
そう神の摂理を作ることによって、
子孫を繁栄させるシステムとしてきたわけだ。
気持ちよくなければ射精なんかしない。・・・・子孫繁栄に結びつかない。
女の人も、
男ほどじゃなくても、
「妊娠する」
その確率の高い時に、性欲が高まったりする。
・・・・ただし、
SEXの快楽は、女の人は、男の100倍だと言われている。
男の快感。
女の人は、
その100倍もの快楽を味あわされる身体を備えている。
・・・・そうでなければ、「出産」という命を賭すほどの苦難を乗り越えることはできない。
そうでなければ、「妊娠」など、
SEXなど、絶対にしないに違いない。
身を捩るどの快楽。
つまりは、
全ては、
神の摂理。
子孫繁栄のための行い。
これが、SEXの正体だ。
・・・・そして、
男は、
女の人とは違い、
生殖周期の自己完結ができない。
「射精」という行為をしなければ生きていけない生き物だ。
だから、
「性欲」 = 愛してる。
じゃない。
「性欲」は、「性欲」で、単体で存在している。
「好き」
「愛してる」
・・・・だからSEXしたいわけじゃない。
男の本能の、
「SEXしたい・・・」
それを、
「好き」
「愛してる」
そう錯覚してしまってる男自身も多い。
男、本人も気づいていない場合が多い。
・・・・それが証拠に、
男は、
「射精」した瞬間に、
「女の顔なぞ見たくもない」
そう思う時間がやってくる。
いわゆる「賢者タイム」というやつだ。
女の人のSEXは違う。
「絶頂」を迎え、
「愛してる」がピークを迎え、
SEXが終わった後も・・・男が射精したあとも、
抱き合い、「愛」を確認し続けたいと思う。
女の人は、
SEXの終わったあとも、穏やかに、「愛」を感じながら、イチャイチャしたいと思う。
男の生理にそれはない。
・・・・だから、
男は、女の人に嫌われる。
女の人の「SEX嫌い」も、そういった部分が関係してくる場合が多い。
あれほど、
「好きだ」
「愛してる」
囁いたくせに、
懸命に、
「SEXしたい」
言いつのってきたくせに、
いざ、
SEXしてみれば、
そのあとの、なんとアッサリした態度のことか。
・・・・アッサリどころか、邪険にすら扱われる・・・・
二度とSEXなんか、するもんか!!
慣れてくれば、
恋人。
旦那。
慣れた相手。
慣れた男ほど、その傾向は強い。
・・・それで、SEX嫌いとなっていく。
男は、射精した瞬間に、
女に対しての、「全ての興味」を失う。
鬱陶しいとすら思う。
・・・・・ただし、
男にも例外はある。
「射精」した瞬間から、
彼女を「愛おしい」と思う時がある。
・・・・それが、
彼女を「愛してる」時だ。
深く深く、
真実に「愛してる」時だ。
射精した後ですら触れていたい。
抱いていたい。
彼女の体温を感じていたい。
髪を撫でていたい・・・
彼女の全てに唇を這わせたい・・・
・・・・このまま、彼女の寝息を聞いていたい・・・
それは、
本物の、
「愛してる」だ。
人生の「全て」を投げうってもいい存在だ。
人生に、
何度も訪れない、貴重な、貴重な瞬間だ。
アルファポリス。
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