自分の耳にはややキツかった、PMA-S10様 は、
でも新しいMOSの世界を、わたくしに示してくれたのです。
懐具合の寂しさを、自分を抑える理由にしても、
湧き起こりたる欲望は、日に日に膨れていくばかり。
でも、ぱいおにあ様のあんぷだけは、
これまた独自の銘柄で、「だいれくとえなじーMOS」という、
素子を用いていながらも、いっとう高くて六万円ほど
もちろん新品買いなど適わず、かの有名な「やふ●く」で、
手頃なものを探してまわり、2008年2月の頭に、
らいんあっぷのなかでも一番、お求めやすいA-D1様を、
ひとまずこの手に収めたのです。
※ 2012年現在、カタログ落ちしてないのには、ちょっとびっくり!!!
ちなみにリリースされてから、もう干支が一周 してますなぁ
もとの値段 は落札時にも、十分承知していたし、
旅装を解いて取り上げたときも、身の軽さをば感じていたから、
せいぜい音の傾向だけでも、分かればいいや!と思っていたら、
こういう手合いは、鳴らしてみねば、
やっぱり分からぬもの、ですなぁ。。。
もちろん、これより位の高い、あんぷたちとの歌合せでは、
Fれんじやら、Dれんじ、 「品の良さ」 など見劣りするは
致し方なきことでしょう。
されど、廉価な機械がゆえに、余計な飾りを介在させず、
自然に整う佇まいやら、そこに漲る充実感など、
かえって音の実在性が、高まったものと感じられ、
顧みたとき、「これ以上、一体何が必要なの?」 と、
金掛け「誇張」を施した、あまたのあんぷの存在意義まで、
問わずにいられなかったのです。
でもこの素性に磨きをかけた、音も聞いては見たいものとも
思っていたら間を空けずして、A-D5様が手に入り、
※ D.E.MOS初搭載機だから、世代はこっちが4年くらい古かったはず
これも吃驚!六万円の、定価が信じられないほどの
それは天高き神無月、町に漂う金木犀や、
春早き頃の寒風に、そよぐ梅花の馥郁か、
はたまた旨き酒の封をば、解きたる時の芳醇にも似た、
品位の高いオーバートーンを、醸してよこすようなのです。
冷静になれば、「香り」 のもとは、ディスクに入っていたかしら?などと、
首をかしげる瞬間も、まったく無いではなかったけれど、
まるで 「またたび 」 を嗅がされた、猫どもの如き恍惚感が、
ひとときばかり忘我の境地を、誘って止まぬようなのです。
※ ド●ッグかいな!!!
もっとも意外や中低域の、足腰だったり充実感など、
うっかりするとA-1D様の、バランスのほうが良く聞こえ、
実はそんなこと無いのだけれど、つまりは醸す雰囲気感が、
やや突出したものかしら?とも。
それは世代の差だったり、新たな素子を世に問う際の
アピールやらの複雑な、事情が絡んだ結果でしょうか?
好奇心をば満たした後は、財政事情に寒気を覚え、
程なくしてこのご両人とも、里子に出してしまったけれど
いずれも値段を感じさせない、ノーブルな声の持ち主という、
印象を今もこの胸に、留め続けているのです。