「月に囚われた男」は、同じＳＦ映画でもアバターと比べれば、地味な作品かもしれない。
アバターも大好きな映画だし、どちらの世界に行きたいと聞かれたら、もちろん、あの夢のように美しいアバターの世界。
でも、どちらに惹かれるかと聞かれたら、私はこの残酷で狂おしいまでに静かな世界観の方が好き。
あのＡＩの声も好き。
*****ここからはネタばれになりますのでご注意ください。
クローンを題材にしたという意味では、その悲しい雰囲気はカズオ･イシグロの「私を離さないで」似ているところもあるかもしれない。
もちろん、「私を離さないで」の絶望感には到底、叶わないのだけど、「月に囚われた男「にはまだ希望がある分、娯楽作品としては、見ていて楽かもしれない。
「私を離さないで」も映画化されるそうだけど、文字通り、私はあの世界を正視できるかどうか分からないから。
Moon(月に囚われた男)★★★★★
デヴィッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズの長編映画監督デビュー作。
近未来の世界。サム・ベルはエネルギー採掘のためにルナ産業により月の基地へ3年間派遣される。通信衛星の故障のために地球との通信は録画データのやり取りを行うのみで、話し相手は人工知能を持ったロボットが一台あるのみという孤独な環境だったが、彼は愛する家族のことを想い続けて耐え凌いだ。だが、契約満了まで残りわずかとなったある日、彼のもとで奇妙な現象が起こり始める。(Wikipediaより)
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