がんに対する考察
日本人の死因のトップ3に必ず入っているのが「ガン」。色々な治療法がメディアで取り上げられているものの、特効薬はまだない。
だが、ガンになる仕組みはわかっている。
人の体では毎日新しい細胞が作られている。
細胞は遺伝情報をコピーして作られるが、この時にエラーが発生してしまう事がある。
パソコンで焼いたCD-Rも時々読み込めない時がある。それと同じだ。
なぜエラーが起こるのか?
それは傷である。
煙草を吸うと肺ガンになりやすいのは煙草によってその部分の細胞が痛めつけられるからだ。
また、辛いものを食べると咽頭ガンや胃ガンになるといわれる。
これは辛さを感じさせる分子構造が尖った形をしていて細胞を傷つけてしまうからだ。
他にも、ウイルス性のガンもある。
これはガンを発生させるウイルスがあるのではなく、ウイルスによって傷ついた部分がガン化するという意味だ。
このようなことは日常的に起きている。しかし、簡単にガンになるわけではない。ガン化した細胞は白血球など体の防御機能によってすぐに排除されてしまうからだ。
だからガンを防ぐには体にダメージを与えない生活をすることが重要。暴飲暴食、煙草などは慎むべき。
そして定期検診を受けること。早期発見ならばほとんどのガンは取り除く事ができるのである。
白い巨頭でも財前教授は言っていた。
人の死ってのはいつも悲しみが伴う。それが痛みを伴っていたりしていたらなおさらである。
健康に生きること。Quality of Lifeを考えながら生きたいもの。
(付録)
「財前教授、最後の手紙」
里見へ
この手紙をもって僕の医師としての最後の仕事とする。
まず、僕の病態を解明するために、大河内教授に病理解剖をお願いしたい。
以下に、癌治療についての愚見を述べる。
癌の根治を考える際、第一選択はあくまで手術であるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、
発見した時点で転移や播種をきたした進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、抗癌剤を含む全身治療が必要となるが、
残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの癌治療の飛躍は、手術以外の治療法の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない医師であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には癌治療の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、癌による死がこの世からなくなることを信じている。
ひいては、僕の屍を病理解剖の後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。
屍は生ける師なり。
なお、自ら癌治療の第一線にある者が早期発見できず、手術不能の癌で死すことを心より恥じる。
財前五郎