脳の働きは不思議だ。
ひとつの考えをインプットしてから、他の考えに書き換えるのは、なかなかうまく行かない。

たとえば“会”。

お土産を渡すとき、“我不会买东西,不知道你喜欢不喜欢。”(私は買い物下手だから、好きかどうか分かりませんが)と言う。

過度に褒められたとき、“你真会说话。”(口うまいね)と言う。

子どもが歩けるようになると、親が嬉しそうに“我孩子会走路了。”と言う。

以上の“会”とは、「コツを掴んだ」「やり方が分かる」というイメージで理解できる。
know how to do itで“会”を説明するのもある。 

このイメージから、“我会游泳”“我会开车”(泳げる、運転できる)を理解するのは、むずかしくないだろう。

しかし多くの学生は、“会”を「学習してマスターする」という風に覚えている。
結局、以上の使い方にとまどう。
私も「学習してマスターする」という「説明」を消すのに苦労している。
最初に覚えちゃうと、なかなか書き換えられないものだ。