中国語で「ごめんなさい」は「対不起」(トイフチ)と言う。
しかし、ぼく自身は中国でこの言葉をまだ一度も聞いたことがないのだ。

これは、弘兼憲史『これだけ違う!日本人と驚きの中国人』の中の言葉。

そんなことがあり得ないと思って、帰国するとき、一度観察してみた。
結局、言われたのは一度だけ。
それは、日本に戻るときの東方航空の飛行機の中だった。

さすがに!東方航空と思って、
「対不起」を言った空姐の名札に目をやったら、「鈴木○○」と書いてあった!


そのあと、中国人の空姐(コンジェ)(キャピンアテンド)が私に食事を渡してきた。
メニューが間違ったので、すぐ変えてくれた。

そのとき、彼女がこう言った。

「不好意思」(ブハゥイス)


この不好意思のもともとの意味は、「はずかしい・照れる・恐縮」。

ようするに「ごめんなさい」。

ものを頼むとき、人とぶつかったとき、自分が言い間違ったときに使える。

言葉は時代によって変わるものだ。