音楽祭の今シーズンのオープニングナイトのゲストは
ピアニストのOlga Kern さんでした!
曲はラフマニノフピアノコンチェルト二番。
2001年ヴァンクライバーピアノコンクール史上初の女性優勝者で、
私はYouTube で何度もKernさんの演奏を聞き、本当に憧れてのピアニストさんです
リハーサルを見学させて頂き、更に
Q&Aセッションもあり、
お疲れのところにも関わらず、沢山の質問に丁寧に答えて下さいました!
いくつか印象深かったQ&Aをシェアします:
1.ロシアとアメリカのコンサート文化の違いは?
コンサートの文化は同じで、同じくらいエネルギッシュでワクワクする雰囲気がある。どちらのオケも情熱的で素晴らしいですし、
観客も暖かい。
ただ教育のシステムが異なる。ロシアでは5、6歳から音楽のスペシャルスクールで音楽を専門に学ぶけれど、アメリカでは色々なもの、スポーツ、学問、楽器を試してから大きくなってから選ぶ。
ロシアの教育を受けて良かったと思うのは小さい頃から将来何をするかという迷いがなかったこと、そして、ピアノは脳と体に訓練が大事なので、小さい時から専門的な特訓を受けられたこと。
2. 難しいパッセージはどうする?
15ー30分かけてウォームアップで
メジャースケールとアペジオを必ずします。
難しいパッセージはそこだけ切りとって、30分かけて、自分なりのエクササイズを考えながらじっくり練習します。
3. ピアノを学校で学びながら弾いていた時と
商売としてピアノを弾くようになってから変わったことは?
自分の音楽が商業化したと思ったことがありません。そして、今も昔も、ピアノとの関係は変わりません。ただ好きなことをやっていて、より良いものをお届けできるよう、完璧を目指して、変わらずにもがいているし、練習もしている。幸運なことに、好きなことがたまたま仕事になっているだけで、根本の姿勢や音楽を愛する心は小さい時から変わっていません。
息子がいるのですが、「ピアニストになりたい」と言っていたから、「本当?ピアニストは溢れほどいて、ママもピアニストだし、本当にいいの?」と聞いたことがある。
でも、息子はこう言うんです
「コンサートピアニストになれなくても、小さい学校でピアノを教えることになっても、僕は満足。ただ、一生ピアノと関わっていたい。」と。
私も小さい頃からお金の為に弾くとは考えていなくて、今の息子と同じ考えでした。「ピアノと一生関わっていたい」と。
今もそう思います。
4. ヴァンクライバーはどうでしたか?
200%準備すること、自分の解釈に100%確信するまでやることを心がけました。
ヴァンクライバーまでに多くの経験を積んで、コンクールに慣れていきました。どれくらいの練習が必要かが分かります。自分の強みと弱みも分かってきます。
1日20時間は練習しました。毎日4時間ほどしか寝ませんでした。色々な積みかせねがあり、ヴァンクライバーは自分にとってベストなタイミングでありました。
みんなもできないなどはなく、タイミングが大事なので、そこに向けてしっかり準備をすることです。
ヴァンクライバーはやる事を分かっていないと集中できない。なぜなら、ご飯の時も寝る時もカメラがしつこくついてくるから(笑)
質問セッション後、個人的に少しお話をさせていただき、とても気さくで豪快で謙虚で優しい方でした。写真も撮って頂き、胸がいっぱいでした![]()
夜のコンサートは繊細で雄大なラフマニノフ二番を演奏されて
聴きながら、ただただ圧倒され、心が震えて、体温が上がりました。
無謀かもしれないけれど、いつかあのような演奏がしたい...
今日も素敵な一日を♪
