(1)目的
男子用ブリーフ(欧州域では“スリップ”:slip, slipy, σλιπ)について客観的で具体的な事項を記載して考察します。その際、近年の国内状況にこだわらず、下記2項以下の視点から、国内のみならず海外状況をも含めた視点からの記述を行います。
(2)腰部下着(パンツ)の役割について
直立二足歩行する人間にとって、腰部は歩行のための基本動作を担うとともに、外界に開いた生理機能器官を持つ重要部です。このような重要部を常時被覆し、外部環境から保護し、生理機能の障害発生を防ぐ役割を果たしているのが下着のパンツです。今日的な観点では、他者の目に触れる被服ファッションを下支えする役目も持っていると言えるでしょう。
(3)一般的な選択傾向
このように、下着パンツが各人の日常生活と活動にとって持つ意味と機能は大変重要です。しかし、その種類の選択と着用に際して、こうした観点に比重を置くことは少ないようです。多くの場合は、移り行く流行に応じた価値観と印象の範囲内で選択するのが一般的でしょう。
(4)ブリーフに特有な性格(今日的観点)
以上の観点からブリーフを見ると、国内に移入されて以来の時代の経過や着用者の年代に応じて、機能性と外見上の印象をめぐって毀誉褒貶が非常に激しい下着と言えるでしょう。機能性の長所としてよく採り上げられるのは、柔軟な触感とフィット性、吸湿性、そして太股の付け根と股間部の形状に対して合理的で無駄のないV字型裾カットと運動追従性です。しかし同時に、(タイプによっては)外見がオムツに似ていて(超)ダサイ、幼児向けパンツ、ティーン~成人用に(超)時代遅れ、高齢者向けパンツ等々と凄まじいほどの悪印象や悪評を受けたりするようです。
これほど大きな毀・褒と誉・褒の同居状態は、他のタイプの下着には類例がないでしょう。このような一種の大きな矛盾にあふれた状況がなぜ生じているのか、またこれは海外をも含めた一般性があるのかどうか等々は非常に興味深い問題で、検討と考察の価値があると思います。
(5)記載で心掛ける諸点
以上の観点から、掲載記事の内容は日々流れて忘却されると言ったものよりも、ある期間は継続的に参考になるようなものを目指します。このため、国内的な常識や見方に拘ることを避け、海外での事情と体験とを含めた広い視点からこの課題を採り上げて行こうと思います。このため、上記の主旨に賛同頂けた方達からの多くの記事を含めて掲載して行きます。またさらに、すでに掲載済みの記事についても、私や執筆の方が必要と感じた修正、追記、改訂は随時行って行きます。
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