日経新聞の攻め方教えます -3ページ目

もうひとつの中核・100人以上の記者がいる産業部-2

(つづき)


産業部は、日経でもっとも企業の広報・PR担当者に接する部署といってもいいでしょう。売り込む企業からすれば、
「とりあえず何でもアピールしてみる」のが大事です。


PR担当者からの売り込みについて、現役記者は、
「プレスリリースを見て、掲載に値するかどうかを判断する。直接持込があれば、とりあえず会ってみる。来る者は拒まない姿勢」です。日経の他の部署に比べて、売り込みに慣れているので、また適度につきあわないと記事を作成できないので、それなりの対応をしてくれます。

 

特徴としては、国内企業、大企業を中心に取り上げる傾向があります。逆にいうと、外資系企業や中堅・中小企業は取材対象になりづらく、あまりカバーしていません。外資に弱いのは日本のメディアの共通した特徴ですが、国際化の波に遅れているといえましょう。


最近までは、ベンチャー市場部という「産業部別働隊」があり、新興市場クラス(未上場含む)の企業を担当する部署があり、製造業に限らず、サービス業もみて、20人くらい記者がいましたが、ベンチャーブームの終焉とともに廃止されてしまいました。


主なネタとしては、企業の経営戦略、商品戦略を中心にすえ、社長などトップ人事やM&A(企業の合併・買収)に神経を使います。新商品の情報も重視している1つです。人事やM&Aは、他紙との競争になるのはココだけでもあり、「日経が企業人事のニュースで遅れるのは許されない」と必死に取材します。


日頃は広報マンと仲良くしすぎて、企業PRのお先棒を担いでいる、と他紙から批判される部分もある産業部ですが、いざ人事やM&Aとなると、途端に強面になり、「まだ書かないでくれ」「社長の家にはいかないでくれ」などの広報マンの哀願もばっさり切って捨てて、相手の迷惑もなんのその、特ダネを追いかけまわします。新聞記者の矜持でもあるわけで、こういう面も知っておきましょう。


記者クラブ関連で言うと、たとえば農水省のクラブには、経済部の記者と産業部の食品業界担当記者の2人がいます。経済部は役所の人事や政策を担当し、産業部は農水省の管轄する業界を取材する、という役割分担です。厚生労働省、経済産業省なども同じで、企業が便宜的に省庁のクラブで自社の発表することが多く、また役所の指導の下で動くケースもよくあるためでもあります。


いずれにせよ、記者が欲しがるのは、一斉に各メディアに配信するネタではなく、日経だけに教えてくれる「独自ネタ」です。公けに発表される内容は、誰でも知ることができるので、いくらたくさん書いても社内で評価されません。これから、新しい業界、商品・サービスを売り込みたいときは、日経だけに最初に売り込み、そのあとで他社へも売り込むというスタイルをとりましょう。いったん公けになると、もう相手にしてくれないので、注意が必要です。


小技としては、「ひまネタ」と呼ばれるネタを売り込む方法があります。1つの会社から、いつもいつも新しい情報を提供できるわけでもないでしょうから、そういうときは、業界のデータやトピックス、社内の情報など、当たり障りのないネタを提供するのです。堅苦しい企業情報ばかりの紙面では、読者も息が詰まっていますので、デスクは柔らかな軽いネタも少しは紙面に載せたいと考えており、どのページにも必ず一息つけるような欄が設けてあります。そこを狙いましょう。四角で囲ってあったり、写真のついている記事がそれです。新聞をよくチェックしてみてください。
                          



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もうひとつの中核・100人以上の記者がいる産業部-1

○もうひとつの中核・100人以上の記者がいる産業部

日経新聞社の編集局について、解説しています。


前回は、「唯一拡大する金融関連の部署」について書きました。
今回は、製造業・IT関連の部署です。


<産業部>

製造業を担当しています。情報通信・IT業界もここの担当です。
産業部の基本は、企業そのもののウオッチです。つまり、経営や戦略など企業活動の根幹に関わることであって、商品などは二次的なものになります。


記者は130人以上いて、デスクも2~30人います。つまり、日経編集局最大の規模を誇るミクロ経済担当部署といえます。


部としては1つなので、部長は1人、べつに日経産業新聞編集長がいます。その下で業界別に4つの大グループに分かれ、それぞれ「担当部長」がいます。化学・鉄鋼などの「素材産業」、自動車・工作機械などの「機械産業」、不動産・ゼネコン・資材・運輸などの「サービス産業」、IT・家電・半導体・コンピュータなどの「電機産業」の4つです。


そして、さらに細かい産業別に小グループに分かれており、小グループは、産業新聞の各面にそのまま当てはまる、同じ業界の構成です。1グループが1つの面を責任持ってつくることになっています。


たとえば、自動車グループは「自動車」面、鉄鋼グループは「鉄鋼」面といったぐあいです。基本的に企業数に応じたグループ構成になっています。日本にある業界はすべて網羅しているといっていでしょう。ただ、商社や電力会社など大企業であっても、企業数の少ない業界などは、まとめてひとからげの扱いになっています。


基本的には1つの業界を1人の記者が担当します。とはいえ、消費財の巨大企業の場合、発信する情報量が膨大になるため、メイン担当にベテランがつき、経営方針や人事・M&Aなどを追いかけ、別に商品担当も付いている場合があります。


例を挙げると、松下電器産業は、メイン担当として社長などにインタビューして、会社の方向性をウオッチする記者がいると同時に、パソコン、家電などの主力商品をおもに取材する若手記者がいます。こうしたとき、商品担当記者は松下だけでなく、同業他社の東芝や日立製作所などの同様の商品も、守備範囲として取材しています。


経営軸と商品軸の両面からみているといえばいいでしょうか。ただ、新聞社として主眼に置いているのは、あくまで経営そのものです。


産業部は、おもに日経本紙の産業面と、日経産業新聞を担当しています。

1グループを1人のデスクが統括し、7~8人の記者を率い、紙面の編集も同時にこなします。本紙デスクは部下なし管理職で、紙面の編集のみ担当します。


この少人数で紙面を作らなければならないので、産業部の記者はいつも大忙しです。とくに「産業新聞にボツはない」といわれます。つまり、ややつまらないネタや、やや古い話であっても、クオリティよりボリューム(「紙面を埋める」と社内ではいいます)を優先せざるを得ず、掲載してしまう、ということです。若手はともかく、中堅以上の記者になると、自分の原稿を本紙に出稿するか、産業新聞に出稿するか、は自分で決めています。一応、キャップに事前通告はしますが、ニュースバリューは、まず最初に現場の記者が判断しているということです。


以前、デスクの仕事内容について書きましたが、産業部の本紙デスクの場合、記者が自分の原稿を載せてほしがるので、記事集めに苦労することはありません。逆に、産業新聞のデスクは、一生懸命記者に声をかけて集めないと、おいしいネタを本紙に持っていかれたり、紙面構成に困ってしまうことがあります。


いずれにせよ、一般の企業と違って、上位下達でなんでも仕事がすすむわけではありません。新聞社では現場のほうが強いので、デスクは管理職ではありますが、一般企業ほどの権限をふるえるわけではないのです。ここは、押さえてほしいポイントです。


売りこみにいくとき、一般企業なら、より地位の高い人に頼んだほうがいいですが、新聞社の場合、偉い人に頼んでも、あまり効果がありません。現場を知りませんし、新聞社のカルチャーとして、「現場重視」というのが大前提にあるからです。実際に記事を書く、その業界の担当記者に直接売り込むべきです。

(つづく)



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唯一拡大する金融関連の部署

○唯一拡大する金融関連の部署


日経新聞社の編集局について、解説しています。


前回は、「経済部が一番、政治部が二番」について書きました。
今回は、金融関連の部署です。


<金融部>
金融部はもともと経済部の一部で、「フィナンシャルビジネス班」といいましたが、最近独立しました。証券以外の金融市場(為替など)、銀行・生命保険会社・損害保険会社、金融庁などを担当します。


記者は30-35人います。「日経ヴェリタス」編集部とは別部隊ですが、ときどき執筆しています。


<証券部>
株式・債券・投資信託などの市場や、それらを扱う証券業界、また企業の財務、M&A(企業の合併・買収)などを担当しています。90年前後のバブル景気のころ、2000年前後のITバブルのころ、最近の新興市場への上場ラッシュなど、株価が急騰すると花形になる部署です。


60-65人の記者がいます。ここも「日経ヴェリタス」編集部とは別部隊ですが、ヴェリタス編集部には証券部出身の記者が多いこともあって、ときどき原稿を出しています。


株式の資産運用に欠かせない「日経会社情報」は、主にここが執筆をしています。編集は出版部門ですが、各企業の決算・業績予想・概況などの原稿は証券部が中心になって作ります。産業部・金融部が主に取材している業界については、それらの記者に原稿を書いてもらいます。


<日経ヴェリタス」編集部>
08年3月に、日経新聞社として21年ぶりに創刊された新しい新聞「日経ヴェリタス」を作っています。週1回、毎週日曜日に発売。72ページもあるタブロイド版(夕刊紙みたいな体裁)で、新聞として珍しいすべて横書きでもあります。


アメリカの「バロンズ」(ダウジョーンズ社。31万部)という個人投資家向け投資週刊誌をモデルにしています。バロンズは「市場が知る前のニュース」といわれ、将来予測に力を入れており、投資行動に影響力を持つ人たちが読む媒体として、高い評価を受けています。


バロンズに追いつけるかどうかは、これからですが、紙面のカラー化、スピードを重視したネットとの連携など、新しい試みをしています。廃刊した日経金融新聞の後釜ですが、読者は法人3割、個人7割と、ほとんど法人だった前紙とは大きく変わりました。


記者は30-35人で、証券部、金融部、経済部、廃止されたベンチャー市場部などからきています。



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・日経新聞の仕組みー新聞はこう作られている
・初めて日経新聞に売り込むコツ
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経済部が一番、政治部が二番

○経済部が一番、政治部が二番


日経新聞社の編集局について、解説しています。


前回は、「経済畑が強く、地方が少ない。<少年探偵団>の謎」について書きました。


編集局は、東京本社の場合、30以上の部によって成り立っています。そのうち、記事の審査や管理、写真などを除いた、いわゆる一般的な意味の「新聞記者」が在籍して取材執筆しているのは、ざっと20ほどです。


具体的にみていきましょう。
まず、経済関係の「硬派」から。


<経済部>
日経の本丸です。最大のエリート部署で、優秀な記者が他の部署からも、どんどん集められます。もっとも社長を輩出しています。自分たちが一番偉いと信じて疑わないので、別名「帝国主義」


霞が関の経済官庁すべて、日銀などマクロ経済を担当しています。記者の数は4~50人います。もうひとつの別名は、「(新聞の)1面担当」。

本紙の1面は経済部が基本的に書くものだ、という暗黙の了解があります。誇りを持つと同時に、責任を負っているといってもいいでしょう。


日経は官尊民卑なので、官庁ネタは常に大きな扱いになりがちです。他紙では小さな扱いのネタが、1面トップにきたりします。ときどき、1面にふさわしいニュースがなくてデスクが困ると、キャップが事前に仕込んでおいた、本省の課長補佐クラスの考えたアイデアを出してみたりもします。
「なぜこれが1面トップなの?」と感じたら、思い出してください(笑)


ロンドン、ニューヨークなど、欧米の主要な海外支局にも、必ず記者を派遣しています。


<政治部>
経済部に次ぐ社内的地位があります。経済部以外で社長を出すのは、ここだけです。記者を経て政治家になった人もいて、有名なところでは、宮沢喜一氏と争った田中六助氏(元自民党幹事長)、現在では、中川秀直・元自民党幹事長がいます。


永田町にある各政党や霞ヶ関の中央官庁などを担当しています。記者は30-40人います。新聞社の旗を立てたハイヤーを乗り回し、政治家や官僚への「夜討ち朝駆け」を日常的に繰り返し、たくさん取材していますが、記事にできない裏話が多く、また他紙に比べて政治面が少ないので、あまり執筆ができません。


海外支局では、ワシントンや北京などに記者を必ず出しています。



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経済畑が強く、地方が少ない。「少年探偵団」の謎

○経済畑が強く、地方が少ない。「少年探偵団」の謎


日経新聞社の編集局について、解説しています。

前回までは、組織的な事情などを説明しましたが、ここからは、各部の解説をしていきます。

日経の編集局には、他紙にない、いくつかの特徴があります。

まず、経済関係の部が多く、手厚く報道していること。社内用語で、経済関係の部を「硬派」、それ以外の部を「軟派」と呼びますが、圧倒的に硬派に部と記者の数が多く、したがって出世コース、つまり会社の上層部も硬派が握っています。


朝日・読売・毎日など一般紙は、政治部、社会部に人数が多く、社内権力も握っています。永田町、警察などに記者を多く配置し、社長など会社トップも、これらの部の出身者が圧倒的です。


また、地方支局が少ないです。全国都道府県のすべての県庁所在地+大きな都市には支局をおいていますが、小さな県の場合、県庁所在地のみに支局長しか記者のいない「1人支局」が中心です。


その結果、地方で大きなニュースが発生すると、東京や大阪から記者が出向いたり、通常取材でも、支局をおかまいなしに、直接現地の企業の本社や工場に出張してしまいます。


新入社員は、まず東京か大阪の本社の部に配属され、2,3年の間、基礎を叩き込まれてから、「こいつはもう1人で記者の仕事をこなせるだろう」と判断されてから、地方に出されます。つまり、地方にいくのは左遷ではなく、一人前になった証なのです。


しかも、地方勤務は3年間と期限が決まっていて、しかも東京よりはるかに企業が少ない分、ゆったりできるので、多くの記者は喜んで地方勤務に行きます。3年たったとき、時間に追われる東京に戻りたくなくて、延長願いを出す記者も珍しくありません。


これが一般紙やNHKの場合、新人はまず地方勤務、しかも大きな都市でなく、へんぴな地域の支局から始まります。「警察・高校野球・選挙」の3点セットを数年間こなし、1人前と認められたら、大きな都市の支局に移り、そのうえで認められたら、やっと30歳前後で東京や大阪の本社にいけます。


そのため、一生のあいだ、一度も本社勤務を経験することなく、地方を転々として、ドサまわりで終わる記者もたくさんいます。日経ではありえないことです。


逆に言うと、大学を卒業したばかりの若造が大企業の社長にいきなり取材にきて、トンチンカンなインタビューをするのも、こうした事情から起きるのです。記者会見でも、他紙のベテランに混じってチョロチョロするので、「少年探偵団」と揶揄されたりします(笑)


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管理者のデスク・現場を仕切るキャップの下に記者がいる

○管理者のデスク・現場を仕切るキャップの下に記者がいる


日経新聞社の編集局について、解説しています。


前回は、「部長は絶対権力者、デスクは毎日寝る時間が違う」と書きました。


 もうひとつのデスクの役割として、部の中にいくつかあり、たいてい業界ごとになっているグループ(班)の1つをマネジメントすることがあげられます。「編集者」として部の責任紙面の編集をすると同時に、キャップ以下の記者を統率する「管理者」でもあるわけです。


毎週1回程度、「グループ会」を行い、各記者がいま何のテーマを取材しているか、どんなトレンドが起きているかなどを把握し、紙面つくりに反映させていきます。


とくに記者クラブなど現場で情報に直接触れているキャップとの連携は密にしていないと、記事が出てこないことになってしまうので、気を使います。誰でも一度は「紙面が真っ白の新聞」という悪夢を見るそうです(笑)


デスクは中間管理職なので、「社内政治」にも関与していくことになり、自分の担当日に記事を大きく扱ってもらえる(1面などに)よう、他の部(とくに整理部)との人間関係をつくるのも仕事です。マージャンや飲みニケーションなどの手段を使って、社内人脈の強化を図ります。もちろん上層部への覚えもめでたくして、将来への布石をうつ必要もあります。


課長職であるデスクの下に、デスクとほぼ同じ数のキャップがいます。一般企業でいえば係長・主任に相当しますが、実際は管理職でなく、記者と同じヒラ社員です。「日銀クラブのキャップ」「(首相)官邸キャップ」などというのは、この人たちです。


現場の責任者で、グループ(班)を実質的に取りまとめます。さらに自分の担当分野も持ちながら、新人の面倒も見なければなりませんので、キャップは一番大変な仕事でしょう。新人については1年間マンツーマンで教育を担当し、取材のしかた・記事の書き方などを手取り足取り指導します。


とくにニュースが少なくて、紙面の編集に困ったときなどは、デスクがガンガン攻め立ててくるので、ストレスは相当なものです。そのため、キャップはいつでも出稿できるように、常に引き出しにそっとネタを忍ばせています。年齢でいうと、40歳前後です。日経は年功序列型の人事方針なので、デスクまでは年齢で自動的に出世の階段をのぼります。


こうしたヒエラルキーの下に各記者がいて、それぞれの業界などの担当を持って、取材・執筆にあたっています。日常、企業の人たちが接するのは記者だけですが、日経の記者といえど「会社員」であり、実際にはこうした組織の中に位置して、活動していることを知っておくと良いでしょう。
    


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