日経新聞の攻め方教えます -2ページ目

朝日新聞阪神支局事件

メディア同士の攻防に


週刊新潮が連載している、「私は朝日新聞阪神支局を襲撃した!」という
記事が反響を呼んでいます。

とくに週刊文春がかみつき、
「ウソじゃないのか?」とでもいいたげに、
あんなことはなかった、こんな事実は認められないなどの反論?記事を書
きたてています。

肝心の朝日新聞は、
「わかりません」
といった風の中立を保っているのが、また不思議ではあります。
(週刊朝日はちょっと質問状を新潮編集部に出したりしていたものの、最
新号では、「八王子スーパー射殺事件の真犯人浮上」を特集し、「うちは
別件でがんばります」といいたげ)




直前に支局を訪問していた




この事件(朝日新聞の阪神支局が散弾銃を持った者に襲撃され、記者が撃
たれて、1人死亡、1人重傷)は、87年(昭和62年)の5月に起きました。

実は、その少し前、私はこの阪神支局を訪れていました。
学生時代の先輩が、阪神支局の記者として、赴任していたからです。

関西が珍しい私に、先輩は、取材地域である西宮、甲子園、芦屋などを案
内してくれ、男同士でしたが、六甲山脈からの夜景も楽しみました(笑)

「海も山もあり、神戸牛やタイ、タコの魚もうまい。関西随一の高級住宅
地はきれい、ここが球児の憧れ・甲子園球場か」
などと感激し、素敵な地域にいる先輩をうらやましく思いました。
(当時、私は日経本社の東京勤めだった)

それが突然のアノ事件。
もう言葉もありませんでした。

すぐさま先輩に連絡を取ると、
「たまたま俺は非番で、あの日支局にいなかったんだ」
との返事。まさに間一髪だったのです。

私はホッとすると同時に、ペンで戦う記者に銃で襲いかかった犯人に、強
い憤りを覚えました。



警察捜査力の低下も




その後、朝日新聞が警察を締め上げて、やっきになったものの、いつまで
立っても犯人は捕まらず、いつしか事件は忘れられて、02年に時効成立。

今回、週刊新潮の記事をみて、当時のことを思い出しました。
また、「なぜ今になって?」という疑問も頭に浮かびました。

ちょうどそのころから、警察の検挙率が下がっていったように思います。
そもそも国松警察庁長官(当時)を自宅前で銃撃して重傷を負わせた事件
の犯人すら捕まっていないのですから、お話になりません(オウム真理教
のしわざといわれたが、結局証拠不十分で不起訴)

犯罪白書によれば、それまで70%あった検挙率は、80年代後半から急
激に下がり、今や40%台になっています。つまり、
<2つに1つの事件は犯人が捕まらない!>

最近の「俺おれ詐欺」などをみても、「犯人のヤリ得、被害者の泣き寝入
り」が常態化している気がします。メディア同士で叩き合うのも話題には
なりますが、何より警察が解決して、すっきりさせてほしいものです。




[今回のまとめ]────────────────────┐   
│1.メディア同士の攻防に
│2.直前に支局を訪問していた
│3. 警察捜査力の低下も
└──────────────────────────── 

オバマの凄さ

○就任式の演説は・・・

オバマ氏が大統領に就任しましたね。

就任式は眠い目をこすりながら、深夜の生中継をみていました(笑)

就任演説は、かなり落ち着いた内容だった、という印象を受けました。
それまでのような、アジテーションっぽいものはあまりなく、ちょっと拍
子抜けではありました。
(ケネディのような、歴史に残る名演説かどうかは、評価が分かれそう)

ただ、現実を見据え、国民に危機感を共有し、共闘を呼びかけるものにな
っていたと思います。建国の歴史から説き起こし、これから発表していく
打開策を予感させる内容になっていました。

○日本でも盛り上がるオバマ人気

いま本屋に行くと、オバマコーナーが設置され、本が山積みになり、彼の
演説テープがエンドレスで流れています。

他国の首脳にこれほど関心を持つのもどうか?と思わないでもないですが、
私も思わず、また1冊買ってしまいました(笑)

彼の本を読むと、「チェンジ」とは、まったく新しいことをしよう、とい
っているのではなく、建国時の理念や、先達の犠牲、リンカーン大統領な
どが訴えたビジョンなどを思い起こし、「もう一度あそこに戻ろうよ」と
いっているのがわかります。

○不満の裏返し?

マスコミの記事や最近の国内選挙で、気軽に「チェンジ」と見出しにして
いますが、彼の言っている意味とは全然違いますね。たいして深い考えも
なしに、使っているのは、底の浅さを感じさせます。

とはいえ、日本の現状への不満がたまっている裏返しともいえます。
歴史への造詣、未来へのビジョンを持った政治家の登場が待ち遠しい、と
いうことでしょう。

オバマ氏の選挙運動の手法や、演説の巧みさは、研究分析するにふさわし
い優れたものだと思うので、今後、有料メルマガで述べていきます。興味
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[今回のまとめ]────────────────────┐   
│1.就任式の演説は・・・
│2.日本でも盛り上がるオバマ人気
│3. 不満の裏返し?
└──────────────────────────── 


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筑紫哲也さんの生き方

○なごやかなお別れ会

年末、故筑紫哲也さんのお別れ会に参加しました。
東京・赤坂のホテルにいくと、いきなり白い花を一輪渡され、祭壇に献花。
左のつい立ての先に進むと、これまでの経歴や写真の展示があり、参加者
が談笑していました。

とてもあっさりしていて、なごやかな雰囲気。セレモニーはまったくなく、
とても葬儀とは思えませんでした。

各界から数百人が参加、私が目にしただけでも、石川さゆり(演歌歌手)、
宮沢和史(THE BOOM)、村山元首相、田中真紀子代議士、佐高信
(評論家)、おすぎ(タレント)、土井たかこ(元衆議院議長)などの顔
がありました。(草なぎ剛(スマップ)、中田英寿(元サッカー
選手)などもいたらしい)

まさに多士済済といった顔ぶれで、故人のつきあいの幅広さを表していま
した。これだけのメンバーをそろえられる人はめったにいないのでは?

○気軽に講演を引き受けてもらえた

私が初めて筑紫さんに会ったのは、学生時代。
20年以上前になります。

当時、雑誌「朝日ジャーナル」編集長を務め、「若者たちの神々」「新人
類の旗手たち」などの人気企画を飛ばしていました。

「大学で講演をしてもらえませんか?」
と、紹介もなく、飛び込みで、いきなりお願いにいきました。

「ああ、いいですよ」
と即OKの返事。こちらの素性を確認もせず、趣旨なども聞かず。

あこがれの人に緊張感いっぱいの状態で突撃しただけに、嬉しさと同時に、
あまりのあっけなさに拍子ぬけしました。

いつもと同じニコニコと穏やかな笑顔を絶やさず、若者や弱者へのやさし
いまなざし、それでいて何でも受け入れてしまうフトコロの深さを、初め
て感じたときでした。

○朝日新聞社では窓際族だった

当時、筑紫さんの口癖は、
「ぼくは朝日新聞の窓際族だから」
でした。

これだけ有名人なのに、と意味が分からなかったのですが、自分が新聞社
に入って、理解できました。

筑紫さんは新聞社では編集委員が長かったのですが、この立場は一見格好
良さそうながら、会社からみると、要はとくにやるべき仕事はないから、
好きなようにしていい(出世コース、管理職からは外れたよ)という役職。

沖縄、ワシントン特派員などを経験しながらも、サラリーマンとしては、
あまり世渡り上手ではなかったようです。

ただ、筑紫さんのすごいところは、ここでめげなかった点。
「だったら会社ではなく、広い世界を相手にしてやろう」
と開き直ったのでした。

○考えでなく、方法を変えて、自分を貫く

それから、よく知られる出版(先日休刊した<月刊プレイボーイ>に連載
を持っていたりもした)、テレビの世界での活躍が始まりました。ジャー
ナリストとしての信念は変えずに、メディアをほかに、つまり表現方法を
変えていったのです。

朝日ジャーナルやTBS「NEWS23」、ともに朝日の社内では、相当
な批判があり、なかなか退職も大変だったようです。(新聞社にとって雑
誌はあくまで新聞のおまけにすぎないし、テレビのニュース番組なんぞ相
手にしていなかった)

結果として、幅広い年代や職業、個性を持つ人々との出会いがあり、多く
の人に慕われることにつながりました。

新聞社にいたら、せいぜい65歳で定年を迎え、当の昔にリタイア生活を
送っていたでしょう。

しかし、こうした生き方を選ぶことで、73歳で倒れるまで、大好きな現
場にいられて、ジャーナリスト人生を全うできたことは、とても幸せだっ
ただろうと推察します。

私がいつも感心していたのは、自己主張をする時、人はどうしても感情的
になりがちですが、筑紫さんは淡々と、しかししっかりと持論を述べてい
たことでした。これが多くの人に受け入れられた魅力だったと思います。

こういう生き方もあるのだな、と感慨深く、ホテルを後にしました。
ご冥福をお祈りします。

PS 筑紫さんはヘビースモーカーで、麻雀が趣味でした。
 「ニュースはどうしてもネガティブな内容が多い。バランスをとりたく
なるんだよね」と話していました。菅直人民主党代表代行とも麻雀仲間。

[今回のまとめ]────────────────────┐   
│1.気軽に講演を引き受けてもらえた
│2.朝日新聞社では窓際族だった
│3. 考えでなく、方法を変えて、自分を貫く
└──────────────────────────── 

地域経済を取材する地方部、地方支局

○地域経済を取材する地方部、地方支局

日経新聞社の編集局について、解説しています。
今回で最終回になります。

前回は、「日本の新聞社で最大の海外取材網:海外記事を扱う部」でしたね。

今回は、「地域経済を取材する地方部、地方支局」です。

日経は、東京・大阪の2本社体制で、それ以外に名古屋・西部(福岡)・札幌・神戸・京都の各支社と、58の地方支局があります。地方部が支局を統括しています。

<地方部、地方支局>

○地方は支局も記者の数も少ない

他紙との大きな違いは、地方支局の数が少ないことです。
たとえば北海道は、札幌支社のみですが、毎日新聞は旭川、函館、釧路など7ヶ所に支局を置いています。

記者の数も、多くの支局は支局長1人だけで県内全域をカバーしています。

1人しかいないとなると、カバーできる範囲も限られるわけで、もっぱら県庁、商工会議所、地元の有名企業、東京や大阪に本社のある大企業の工場や研究所などに絞られています。つまり、地域の経済分野の取材のみ。

他紙の場合、県庁所在地の支局は10人を超えることもあり、「警察、高校野球、選挙」を3点セットとよび、取材の中心に置いています。いわゆる「まちネタ」という地域の情報を拾い上げるのが、メインです。

このため、日経は、地方で大きな事件が起きると、東京や大阪の本社から、記者が派遣されて取材を行うことになります。

○新人育成方針の違いが原因

一般紙の場合、支局の人数が多いのは、地方勤務のみの記者がいること、支局を新人教育の場所にしていることがあげられます。

新聞社に入るとまず地方支局にいかされて、「サツまわり」(警察に事件の取材)からスタートします。数年して、より大きな支局に移り、30歳前後で認められると、ようやく東京や大阪の本社にあがってきます。

日経は、スタートが東京や大阪の本社です。本社は記者の数が多いので、ここで新人に記者のイロハを教え込みます。2、3年して、そこそこ記事が書けるようになると、地方に行くことができます。

つまり、支局は人数が少なく、1人前でないとまわりに迷惑をかけてしまうので、ある程度できるようになってから派遣されるわけです。そのため、
「地方勤務に出される」
というのは、
「出しても大丈夫」
というお墨付きをもらったことになります。

一生地方まわりの危険がある一般紙と違い、日経は原則3年で本社に戻るので、忙しい東京より地方でノンビリしたいと、地方勤務は人気です。

○地方企業は支局の活用を

地方の企業の方は、日経新聞に掲載を希望する場合、地方支局に持ち込むことをお勧めします。話題性のあるネタなら、本紙全国面や日経MJなどにも、比較的容易に掲載されます。

支局長は本社のキャップ経験者、デスク手前の世代なので、本社に対し、それなりの力があるからです。まもなく本社に戻るので、その後も本社とつきあいを継続できます。一般紙の全国面に掲載されるより、はるかにスムーズだと思います。

<法務報道部>

○コンプライアンスの専門部署

企業の法令順守(コンプライアンス)がいわれるようになり、設けられました。新しく、また珍しい部署です。企業のからむ、不祥事や事件・事故のときに登場して、専門的な法律関連の解説などをしています。約10人。

☆──[今回のまとめ]─────────────   
                              
1.地方は支局も記者の数も少ない     
2.地方企業は支局の活用を
3.コンプライアンスの専門部署・法務報道部
                                  
☆───────────────────────
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日本の新聞社で最大の海外取材網


〇日本の新聞社で最大の海外取材網

日経新聞社の編集局について、解説しています。

前回は、「女性読者向けの記事を担当する生活情報部と文化部」でしたね。

今回は、「海外記事を扱う部」です。

日経は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアを中心に、34の拠点(支局など)を置いています。記者・現地のスタッフは約170人(日本からの派遣は約60人)で、日本の新聞社では最大規模です。(欧米の通信社に比べるとずっと小さいが)

他紙にない変わったところでは、ドバイ(石油)、シリコンバレー(IT)などに支局があります。一方、アフリカはカイロのみ、中南米はサンパウロのみです。

<国際部>
 海外駐在経験者(昔の特派員)を中心に、ロイターなど海外の通信社などから送られてくる記事を翻訳して、日経各紙に掲載しています。これから海外赴任する記者の修行場でもあります。

<アジア部>
 中国、東南アジア、オセアニアなどの支局を統括しています。日経はとくにアジア地域の取材に力を入れており、わざわざ1つの部として、独立させています。

<米州総局>
 アメリカだけで、4ヶ所拠点を置いており、ニューヨークが統括しています。ワシントンは政治部、ロサンゼルスは消費産業部、シカゴは商品部、ニューヨークは経済部、証券部、産業部などの出身者が、それぞれ伝統的に派遣されています。

<欧州総局>
 ヨーロッパ各国と中東、ロシアを統括しています。
他紙と違うのは、ドイツは首都のベルリンに加え、金融の中心地フランクフルトにも支局がある一方、先進国であるイタリアには支局がありません。総局も金融の中心地であるロンドンにあります。

<英文編集部>
「THE NIKKEI WEEKLY」という英字紙を作っています。約20人。日経新聞の翻訳が中心です。

そのほか、日本経済新聞国際版も海外8カ所で印刷しています。(いずれも大赤字だが、他紙も出しているので、メンツでやめられない)
(つづく)
☆──[今回のまとめ]─────────────   
                              
1.ドバイやシリコンバレーにも支局がある     
2.アジアの取材に力を入れている
3.出身部署が支局を支配
                                  
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女性読者向けの記事を担当する生活情報部と文化部

〇女性読者向けの記事を担当する生活情報部と文化部

日経新聞社の編集局について、解説しています。

前回は、「生活経済ネタも扱う社会部」でしたね。

今回は、「生活情報部、文化部」です。

<生活情報部>

〇ウイークエンド経済をつくる

本紙の土曜別刷り「プラス1」、夕刊月曜と木曜の「ネットナビ」などを担当。約50人。
もとは婦人家庭部といったところで、大幅に拡大して、女性読者を意識した紙面作りを行っています。自然に女性記者が多く、女性部長もいました。

「プラス1」の記事に見られるように、軟らかいネタ、カラー写真つきの記事などを多く扱い、記者というより、編集者の色合いが濃い部署です。
フリーのライターなども活用して、さまざまな季節モノ、はやりモノなど街ネタを紹介しています。

生活小物などは、ここで紹介されて、爆発的な問い合わせが殺到したものも、珍しくありません。男性ビジネスマンのイメージが強い日経ですが、働く女性、資産運用に関心のある女性にとっても必須の新聞であり、気軽に読めるページとして、親しまれています。

雑誌は有名なものでも数十万部程度ですが、日経は300万部あり、こういうときその威力を発揮しているようです。企業広報にとって、これもまた狙い目のページでしょう。

<文化部>

〇名物連載「私の履歴書」

本紙の最終ページ、文化面などを担当しています。約30人。
美術・文芸・音楽・演劇など、幅広い文化芸術の記事を書いています。

なんといっても名物なのは、昭和30年代から延々と続いている「私の履歴書」コーナー。経営者はもちろん、政治家、文化人、学者など、さまざまな分野の著名人が、その半生を自ら1ヶ月に渡って語っていきます。

功なり名を遂げた人にとって、ココに登場するのはとても名誉であるため、自薦他薦が引きも切らず、ずいぶん先まで連載予定が決まっているとか。

ちなみに、作家以外の人の文章は記者が聞き書きをしています。
読売新聞社グループの渡辺会長が執筆したときは、
「ライバル社に執筆した」
と話題になりました。

08年には元FRB議長のグリーンスパン氏が登場するなど、海外の大物を連れてくることもあります。

一般的に、創業者、自営・自由業者の話は山あり谷ありの人生で興味がつきませんが、サラリーマン経営者はあまり変化が無く面白くありません。

文化面のもうひとつの名物は、連載小説です。
とくに、渡辺淳一氏が執筆した、「愛の流刑地」「失楽園」など恋愛モノは、
「日経がこんなジャンルを掲載するのか、しかも朝刊で」
と話題になり、大ヒットしました。

(つづく)

☆──[今回のまとめ]─────────────   
                              
1.女性読者向けの記事を担当する生活情報部     
2.名物連載「私の履歴書」の文化部
                                  
☆───────────────────────
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生活経済ネタも扱う社会部

○生活経済ネタも扱う社会部

日経新聞社の編集局について、解説しています。

前回は、「理論を調査・取材する経済解説部、科学技術部」でしたね。

今回は、「社会部」です。

以前お話したように、日経は他紙と違い、経済関係の部が多く、出世コー

スです。社内用語で、経済関係の部を「硬派」、それ以外の部を「軟派」

と呼びます。

朝日・読売・毎日など一般紙は、政治部、社会部に人数が多く、社内権力

も握っていますが、日経は硬派が中心で、社会部など軟派は非主流派です。

<社会

○通信社+大事件+生活経済

本紙の「社会面」などを担当しています。約60人。

日経本紙の社会面は、毎日2ページありますが、その記事は78割が共

同・時事の通信社が送ってくる原稿でできています。

先に書いた一般紙と同じように、通信社も社会部は大所帯で、全国規模で

専門的に取材しているので、東京と大阪、名古屋、福岡しか事件記者の

いない日経は、みずから取材網を構築せず、お金で記事を買うようにして

います。(地方紙も同じく、地元以外の記事は通信社頼み)

そのため、日経の社会部記者は、大きな事件や、生活に絡む経済ネタを書

いています。たとえば、ガソリンが上がった下がったなどの話や、野菜や

魚が豊作などの話です。

流行、話題のネタもココに載りやすいので、企業広報からすると、狙い目

のページでもあります。とくに夕刊は軟らかい記事(写真つきがベター)

が好まれるので、覚えておきましょう。

ビジネスマンの生き方を探る連載なども随時掲載しており、他紙とは一味

違う、日経ならではの、社会面を作っています。

運動部

○ゴルフと競馬に熱心

本紙のスポーツ面を担当しています。約25人。

ここも社会面と同じく、通信社の原稿が多いところです。

プロ野球やサッカーなどのメジャーなスポーツは、自前で取材していますが、

「日経ですが」

と取材先に言うと、

「サンケイか?」

と聞き返されてしまうのが悲しいところです。

(社会部も同じで、読者の数の少ない業界を対象にしているため。

日経に社会面やスポーツ面があることを知らない人も珍しくない)

特徴としては、日経主催の大会(日経杯)があるゴルフ(実業団対抗など)、

競馬は、よく記事になっています。

(つづく)

☆──[今回のまとめ]─────────────   

                              

1.通信社+大事件+生活経済の社会部     

2.ゴルフと競馬に熱心な運動部

                                  

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理論を調査・取材する経済解説部、科学技術部

○理論を調査・取材する経済解説部、科学技術部

日経新聞社の編集局について、解説しています。

前回は、「商品市況をウオッチする商品部」でしたね。

今回は、「経済解説部と科学技術部」です。

経済解説部

○経済学・経済理論を紹介、解説

本紙の「経済教室」ページなどを担当しています。約20人。

近代経済学、マルクス経済学(ソ連崩壊後、あまり呼ばなくなったが)な

どの経済学理論の調査・研究や、官庁・民間(シンクタンクなど)のエコ

ノミスト、大学教授など取材しています。

記者というより、編集者に近く、「経済教室」や同じページの「ゼミナー

ル」などに執筆してくれる人や組織を発掘したりもします。毎日新聞社の

「エコノミスト」がライバル。

「経済教室」欄は学者や研究者が持論の発表をする場として有名。

有名学者には日経から頼んで持論を発表してもらうほか、新人学者にとっ

て発表は名誉とされており、自薦他薦の申込みが絶えないとか。

08年には60周年を迎えました。これまでに見出しに登場したキーワー

ドを集めたところ、「グローバル」「市場・資本主義」「金融・通貨」が

ベスト3だそうです。

官僚がよく読んでいて、自分たちに都合のいい意見をいう学者をスカウト

して、審議会などに起用する(いわゆる御用学者に仕立て上げる)情報源

にもなっています。

同じページの「やさしい経済学」コーナーは、やさしかったためしがあり

ません(笑)。この部署は、日経系列のシンクタンクである日本経済研究

センターと強い結びつきがあります。

<科学技術部>

○科学技術の最新理論を紹介・解説

本紙の「科学技術」ページなどを担当しています。約25人。

大学、研究所、企業の研究を取材して、これから表に出てきそうな新しい

技術や理論の紹介などをしています。

ふだんは地味で、専門的な内容なので、あまり目立ちませんが、08年の

ノーベル賞受賞者ラッシュでは、ここが紙面で大活躍しました。

理科系の大学院出身者を毎年採用しています。文科系出身者のたまり場で

ある新聞社にあって、異色の部署です。

基礎研究などは長い年月がかかるうえ、素人が理解するのも難しいため、

取材先の研究者たちは、

「一般の記者に取材にこられても用語の説明で終わってしまう」

と不満をいいがちですが、ココの記者がいくと

「われわれの日常語で話が通じる」

と喜びます。

(つづく)

☆──[今回のまとめ]─────────────   

                              

1.経済学・経済理論を紹介、解説する経済解説部     

2.科学技術の最新理論を紹介・解説科学技術部

                                  

☆───────────────────────

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商品市況をウオッチする商品部

○商品市況をウオッチする商品部


日経新聞社の編集局について、解説しています。


前回は、「日経MJをつくる消費産業部」でしたね。


今回は、商品市況をウオッチする商品部です。


<商品部>


○あらゆる商品・サービスの市況をレポート


商品部は編集局の中で、ちょっと異質です。
その意味は、他の部が縦割りで各業界を担当しているのに比べ、商品部は横割りで、商品・サービスの価格を中心にウオッチしているからです。


たとえば、原油について、日本石油などの石油精製会社の経営は産業部が担当していますが、取引されている原油の価格については、商品部が見ています。需要と供給の動きについて、その原因などを探って記事にしています。


○第一次産品は全部カバー


非鉄金属、化学、家電なども同じで、それらのメーカーについては産業部が基本的にカバーしてるのですが、市場における需要と供給の動きや、結果として出てくる価格については、商品部の記者が取材しているのです。


一方で、鉄鋼(電炉のみ。東京製鐵など)、生鮮食品、金、穀物などは、産業ごと商品部が担当しています。


とくに、金や銀、アルミ、原油、ガソリン、ゴムなどを扱う東京工業品取引所、大豆、小豆、コーヒー、とうもろこしなどを扱う東京穀物商品取引所、野菜や魚、肉を扱う中央卸売市場(築地、大田)などは、商品部が責任担当になっています。


○本紙やSSに出稿。産業部とダブリも


記者は30-40人います。記者だけでなく、データを扱うので、編集局には珍しく女性事務職員もいます。記事を書いている新聞は、本紙の商品面のほか、日経産業の商品面、日経MJの一部などです。


やっかいなのは、産業部と業界がダブっているところで、経営と市況と一応分けてはいますが、販売・マーケティング戦略などは両方に影響を与えるので、同じ日経から2つの部の記者が取材に出かけたりすることになります。


場合によって、似たような記事が同時に出稿されることがあり、社内でも記者同士でケンカになったりします。取材される企業からも、どちらかにしてくれ!といわれることがあります。


(つづく)


☆──[今回のまとめ]─────────────   
                              
1.あらゆる商品・サービスの市況をレポート     
2.第一次産品は全部カバー
3.本紙やSSに出稿。産業部とダブリも
                                  
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日経MJをつくる消費産業部

○日経MJをつくる消費産業部


日経新聞社の編集局について、解説しています。


前回は、「最大規模を誇る産業部」について書きました。
今回は、消費産業部です。


<消費産業部>


もともとあった流通経済部と、産業部の消費財・サービス班が合流して、近年、消費産業部となりました。


○第三次産業を担当


カバーしているのは、消費経済の分野で、卸、小売業界、サービス業などが中心です。本紙の産業面の一部も担当しているほか、日経MJを中心になった制作しています。


毎週3回発行される日経MJは、小売・卸売り業界の人たちにとっては必読であり、個人の読者でも、「日経本紙は読まないが、日経MJは好きなので購読している」という人がけっこういます。


○新聞というより雑誌の作り方


日経MJは、その紙面構成からみても、新聞というより、雑誌に近い感覚であり、早くからカラーの紙面を採用したり、肩の凝らない、柔らかい内容の連載企画やコラムを充実させてきました。


特集にも力を入れ、毎号の1面記事は、速報ニュース・特ダネというより、トレンドを追う、話題の企業・サービスを深掘りするといった企画記事になっています。

制作する記者も、新聞とはずいぶん違います。どちらかといえば、週刊誌に似ていて、1号ごとに1面を作成する班が変わっていく、交代制になっています。


○おしゃれで女性記者も多い


その分、記者の数も多く、60人以上います。長く柔らかい業界を担当していると、新聞記者のイメージから連想されるのとは程遠い、おしゃれなファッションを身につけていくようになる人もいます(笑)。


日経という堅い会社からすると、異分子のような雰囲気のある部署でもあります。ファッションやコスメ、生活雑貨なども扱うので、女性記者も自然と多くいます。

(つづく)


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