現地で見たベトナム経済のパワー | 日経新聞の攻め方教えます

現地で見たベトナム経済のパワー

こんにちは、伊藤雄一郎です。

前回、フェイスブックの記事を書いたら、知人から「友達申請」がたくさん来ました(笑)読者の方でも、もしよかったら、申請してください。


戦争のイメージだったベトナム


正月にベトナムに行ってきました。
南部のホーチミン(旧サイゴン)です。

ベトナムというと、私の中では、<ベトナム戦争>のイメージがとても強くありました。「お茶の間で見ることができた初めての戦争」といわれるように、米軍がメディアにオープンであったため、マスコミを通じて戦争の悲惨さが伝えられたことが大きかったと思います。小学生だった私は、ただただビックリしていました。

それもあって、今回も、開高健が従軍記者だったときに泊まっていたマジェスティックホテルを予約し、南ベトナム大統領官邸だったホワイトハウスを最初に見学するなどの予定を組んでいました。

ところが・・・


津波のようなモーターバイクの大群



街に着いて仰天したのは、ハエの如く道路を走り回るモータバイクでした。100-150CCクラスの小型(原付バイク)ばかりが、ウジャウジャ。
通り一杯を占拠して、一斉に押し寄せてくるさまは、まるで津波のよう。

その昔(20年以上前)、初めて中国に行ったとき、自転車の大群が襲ってくるように感じて、驚きましたが、今度はバイクなので、騒音とスピードも加わっています(笑)

そのうるさいこと、臭いことは、はなはだしく、さらに、チョコマカ動くので、危ないこともこの上ありませんでした。都心でも信号があまりないので、大通りを横断するために、神経をすり減らし、瞬発力を発揮しなければなりません(笑)

現地では、これが自家用車の代わりなので、1人ではなく、2人、3人が一緒に乗って、郊外から1時間以上かけてやってきます。「ホンダは素晴らしいが、値段が高いので」と、現地メーカーのバイクに、ホンダのステッカーを貼っているのが流行のようです。

モータリゼーション(自動車が大衆に広く普及し、生活必需品化する現象。
自動車中心の社会化)の初期段階にあることがよくわかりました。


大きな可能性を秘めている


もうひとつは、繊維製品の品質の高さです。

お土産物として、ワゴンに山積みになっている観光客用Tシャツを買ったところ、とても肌触りがよく、厚みもありました。数々の途上国で、粗悪品のTシャツをつかまされきた(!)私としては、驚きでした。

ユニクロなどアパレルメーカーが、ベトナムに工場進出しているニュースは耳にしていましたが、土産物でこれだけのクオリティを出せるなら、世界一品質にうるさい日本人向けでも十分でしょう。

また、「午前中に英語学校へ通い、午後からここで働いている」とキラキラした瞳で話したホテルレストランの20歳ウエートレスの笑顔も忘れられません。アメリカとの戦争は過去のこととして(まだ枯葉剤の影響があるそうですが)、豊かさを求めて疾走する現在のベトナムの姿をあらわしているようでした。

これらを目の当たりにして、「BRICSの次にくる国」として、ベトナムが注目されている理由を実感しました。人口が9千万人もいて、平均年齢25歳というのも強みです(日本は1億2千万人、45歳)。世界で唯一アメリカに勝った根性と粘り、団結力が経済に向けられれば、相当の地位を獲得できるでしょう。

ベトナム株は、いまだリーマンショックから中々立ち直れていないようですが、投資先として十分に注目すべきと感じました。


(次回はカンボジア)