フェイスブックの映画からみえたもの | 日経新聞の攻め方教えます

フェイスブックの映画からみえたもの



じつは青春映画だった


話題の映画「ソーシャルネットワーキング」をみてきました。

まもなく登録者が207カ国、6億人に達しようという世界最大のSNS
「フェイスブック」が誕生した裏側を描いています。私としてはドキュメ
ンタリーを期待したのですが、そこはエンターテイメント。事実を基にし
たフィクションで、創業者マーク・ザッカーバーグ(まだ26歳!)が旧
友から訴えられた2つの裁判を軸に、友情・エリート主義・裏切り・PC
オタク・欲望の渦巻く<青春映画>でした。

それにしても、フェイスブックのきっかけが、ハーバード大生時代に、GF
にフラれて、酔って腹いせに作った女子学生比較サイトだったとは・・・。
モテたい、友達がほしい、大学のブランド信仰など、人間の欲求を上手に
ビジネス化した(本人が何よりほしかった)サービスだとよくわかります。

(余談ですが、映画は、ベンチャービジネス・アイビーリーグ・ITなど
の専門用語がマシンガントークの中で飛び交うので、そこそこ基礎知識を
備えていかないと、ストーリーについていけず、チンプンカンプンかも)



MXI・GREE・フェイスブック



私はちょうど1年前にフェイスブックに登録しました。
とはいえ、使いまわしているとはいいがたいので、サービスの是非につい
て、まだ偉そうにはいえません。ただ、海外に住む友人との連絡には便利
です。会ったことのない外国人の知人もできました。

実名登録が必要なので、いまだプロフィールなどの詳しい情報はあまり詳
しく書いていません。様子見といったところでしょうか。それでも、最近
は国内の友人が名前を見つけて、友人申請をしてくることが多くなりまし
た。日本でも市民権を得つつあるのでしょうか。

自分のSNS履歴を振り返ってみると、04年ごろ、MIXIとGREEに登録。
当時はまだ両方とも登録者が50万人程度でした(現在は、2500万人)。
軟らかいテイストで軽いコミュの多いMIXIを「遊び用」に、固いGREE
を「ビジネス用」(情報交換・勉強会など)に、と使い分けていました。
両方とも、爆発的に登録者が増えたころ、参加者の質が変わって飽きて
しまい、現在は放置したままになっています(笑)

神楽坂にオフィスを移転したので、06年からMIXIで「神楽坂食べ歩きの会」
を主催したところ、思いがけず人気を呼び、1200人も集まりました。
毎月1回、私がお店を選んでオフ会を催し、早い者勝ち20人で食事を楽し
んでいました。(今日時点で1356人)

神楽坂のあちこちの飲食店で、「(私の)コミュでの紹介文をみてきた」
という客が増え、お店から感謝されたこともあります(笑)。他人が一緒
に食事をして仲良くなる、お店に客が増えるというSNSのパワーを実感
しました。

MIXIは出会い系事件が起きたりという問題もありましたが、フェイス
ブックはこれらの現象が世界規模で起きています。スゴイことだ!


フェイスブックのパワーと影響力




フェイスブックが今注目されるのは、単なるネットサービスの1つでなく、
グーグルと同様にすべてのサービスの入り口になる=インフラになる可能
性を秘めているからです。一時は「検索」で世界の情報の覇権を握ると思
われた、グーグルの強力なライバルなのです。

SNSだけでなく、メール・検索・HP・ブログなどを飲みこんで、あたかも
1つの<社会>を形成してしまうかもしれません。「中国・インド・フェイ
スブック」といわれるのは、人口の巨大さに加え、なんでもあり、自給自
足できてしまう、巨大国家に匹敵するパワーを持ちつつあるからです。

日本のフェイスブック登録者はまだ180万人で、人口の割に他国に比べ
かなり少ない。SNSでも身内で固まりたがる、あいまいが好き、若者中
心という日本人にどこまで受け入れられか未知数ですが、無視はできなく
なってきました。

それにしても、マイクロソフト以降、ヤフー、アップル、グーグル、フェイ
スブックと次々に登場してくるIT企業・サービスは、すべてアメリカ発です。
クラウドコンピューティングもそうですね。

アメリカのダイナミズムに敬意を払うと同時に、なんでもアメリカナイズ
されてしまっていいのかなあ、個人も企業も重要な情報を依存してしまっ
ていいのか、日本はなんでも手足だけか、と漠然とした不安も強く感じつつ
あります。

皆さんはいかがですか?