新型インフルにみる情報の伝わり方 | 日経新聞の攻め方教えます

新型インフルにみる情報の伝わり方


東京でもマスク姿が目立つように





メキシコに端を発した、新型インフルエンザの流行が爆発的に広がってき

ましたね。東京でもマスクをして歩いている人が増えてきました。



これまでにないタイプのインフルエンザであること、高校生が多く病気に

かかっていることなど、新しい病気ということで、パニックになっています。



とはいえ、死者が続出しているわけでもなく、あまりに騒ぎすぎです。



よい機会なので、今の時代の情報の伝わり方について、少し考えてみました。






受身、Mタイプの日本人







私は日ごろから、「日本人はMタイプであり、受身の姿勢、もっといえば

いじめられるのが好きな国民」とみています。また穏やかな社会なので、

変化(衝撃)に弱いとも。



海外50カ国以上歩きましたが、これほど豊かで平和であるにもかかわらず、

自分に自信のない(誇りを持っていない)国民はいないからです。



自らの出身地を語るとき、たいていの国では、「俺のところはこんなにす

ごいんだぜ。あれもこれもウチの名物さ」と、とどまるところを知らない

<お国自慢>が始まります。



しかし日本では、なぜか故郷を語ることが恥ずかしいかのような口調にな

ってしまい、隠そうとうする人さえ珍しくありません。



「こんな田舎でみっともない、特徴がなにもない」などと卑下してしまい

ます。一歩譲ったレベルである、謙譲の美徳はすばらしいことですが、行

き過ぎて、卑屈、自信のなさまで落ちています。



アジアはもちろん、世界中で日本を賞賛する国はとても多いのに、どうし

て自分達が一番自分の悪口をいうのだろう、と不思議でなりません。




メディアの罪





高速大量輸送時代で、病原菌も人に乗って、アッというまに広がりますが、

メディアの発達・インターネット時代になって、情報もまた、あっという

間に伝播するようになっています。



メディアはその国民の鏡ですから、やはりMタイプであり、いじめられる

のが好きです(笑)日本のマスコミほど、日本の悪口を言うところはない。

(たとえば、不況なのはわかっているのだから、こういうときこそ前向き

の話をすればいいのに、横並びのマイナスのことしかいえない)



今回のインフルエンザの報道でも、テレビが大きな影響力を発揮しています。

はっきりしない、よくわからない時点では、じっと観察して取材を重ねて

おけばいいものを、無理にすぐ答えを出そうとします。



無理をするから、小さな話を騒ぎたてて、繰り返し報道したり、あちこち

の医者にデタラメにインタビューするので、どれが正しいのか、聞いてい

るとわけがわからなくなり、余計に不安になります。



厚生労働省のトンチンカンな対応の問題もありますが、マスコミのこうし

た姿勢もパニックを誘発する大きな要因だと考えます。



<週刊新潮>が冷静な特集を組んでいました。

「東京でもすでに大流行していたが、多くは気がつかずに治っているかも」

「日本が爆発的にみえるのは、検査機器や医療機関の報告が緻密なためで、

アバウトなメキシコとは同列に比べられない」(同感です)

「神戸の風俗嬢いわく、死なないなら、性病のほうがよほど怖い」

(きわどいポジションの人はしたたかで、冷静だ)

「大被害を予測できるわけでもないのに、経済活動を休止するのは愚か」

(大山鳴動して、ねずみ一匹、ということわざがありますね)



騒いで不安がっているのは、ふだん暇でのんきな、恵まれた人だけのよう

な気もします。皆さんはいかがお考えですか?