ブラームスが心に響くのはなぜでしょう。それは、交響曲に必ず現れる、とびきり美しい第2楽章のメロディが聴きたいからです。そして、もちろん、深く、雄大なホルンの音色も。
ブラームスのホルンは、どこまでも深淵な響きを求め、聴く者の心を揺さぶります。その一音一音が、私にとっては何にも代えがたい安らぎです。
特に、交響曲第1番・第4楽章の、あのホルン・ソロ。クララへの愛が歌われた、と言われるあのフレーズです。このソロに触れるとき、私はいつも襟を正すような、謙虚な気持ちになります。
自由な一人の時間も心地良いですが、ふとした瞬間に、誰かの存在を求めます。例えば、お刺身をあれこれ食べたい時。「誰か」が隣にいてくれたら、全種類制覇できるのに、と。
料理も同じです。たまに作ったものを「美味しい」と言ってくれる人がいるだけで、作る喜びは何倍にもなります。ブラームスの音楽は、そんな誰かとの繋がりの温かさを、深 々と教えてくれるようです。