いつものカフェに来ていたTO君。
TO君が亡くなったのは秋の終わり位でした。

ギター好きだったTO君のピックが、いつものカフェに飾られています。

TO君の住居を引き払う為に実家からきたご両親と弟さん。
日帰りでも帰れなくはないのに、
TO君が通っていたお店に挨拶にくる為にやどをとったそうです。

カフェで、食事をし、お酒が飲めないお母様も、あえてワインを口にされました。
TO君はお酒が大好きだったのです。

20代半ばなのに、昭和のロックが大好きだったTO君。

通っていたライブを開催するバーに、ご家族は向かいました。

TO君はハーレーも好きでした。
まだ免許をとっていないうちに、
ハーレーを購入し、大幅な改造を業者に依頼していました。
その間に教習所に通っていたのですが、
免許より、先にハーレーが出来上がってしまうと、

免許なんか、オンナコドモがとるもんだ

などと、突っ張っていました。

ようやく、完成したバイクは、
ハンドル位置がかなり上にあり、アメリカンな形でした。

TO君が亡くなったとき

ハーレーどうするんだよ

という声が囁かれていました。

大きなクルマの中に保管されていたので、クルマごと故郷に持って帰られたハーレー。

お父様が、


俺が乗る


と、宣言。

それから、大型の免許を取得し、乗っているそうです。


ハンドル位置が高く、シートにもたれかかって足を伸ばした形で乗る大型のバイク。
特注品なので、音も、バリバリ大きいそうです。

TO君の故郷で、大きなバイクをバリバリと音を立てて運転しているお父様を見て、TO君は微笑んでいるかもしれません。

いつものカフェでゆゆさんのバースデーを祝った深夜、団君からメールが来ました。3時半を回っています。

あっちゃんのバースデーの時のケーキ代を支払うという話と、
あっちゃんが帰り際にすこしキレ気味な気がしたのは気のせいか、
という内容です。

深夜なので、すぐには返信せずに、翌日の昼位に軽く返信しました。

団君、酔ってたからか、声が大きかったりしたからじゃない?

団君から夕方に、返信が来ました。酔ってすみません。ケーキ代は今度支払います。

その日の夜にカフェに行くと、あっちゃんが来ていました。

団君から、メールが来た話をすると、あっちゃんが、自分にもメールが来た、と言いました。

前日、あっちゃんが、急いで帰りたかったのに、団君がクリームさんと狭い出口を塞いで出れなかったこと。
更に、奥の人達が出ないのは、団君達が出口を塞いでいるからにもかかわらず、
イチャイチャしてるからだ、などと、言ったことに対して憤りを感じたあっちゃん。

あっちゃんが怒っていたようだ、
ということだけ気がついた団君。

直後に、
あっちゃんに、メールをしたのです。

「優しそうな人はいるけど(電さんとか)本当に、優しい人はあまりいないよ」

電さんとあっちゃんの仲を勝手に疑い、暗に電さんを批判するような内容です。

あっちゃんには、何年も前から、想いを寄せている男性がいて、団君が、以前元カノとの恋愛で悩んでいたとき、お互い同士だから頑張ろう、と励ましあっていたことがあります。

なので、電さんは、全く、関係がないのです。
それを、知っているはずなのに、電さんとあっちゃんが話しているだけで、
電さんを批判する言葉を吐いたり、二人がイチャイチャしていると言い出したりする団君。

どうやら、あっちゃんが好きで電さんに嫉妬しているようです。

しかし、あっちゃんが好きで、メールしたにしては、完全に、あっちゃんを怒らせるような内容です。

いつも、電さんを批判するのも、逆効果です。

何にも試合が行われていなかったところに、突然攻撃をかけるが、全てオウンゴールです。

団君、何故、逆効果だと気がつかないのでしょう。
いつものカフェで、乾杯が行われました。

その日は、ゆゆさんの誕生日の前日でした。
遅い時間だったので、日付が、変わればもうバースデーの乾杯が出来ます。

既にプレゼントを用意していました。

帰ろうかな、ゆゆさんが、つぶやきました。

ゆゆさんへのバースデープレゼントを日付が変わったら渡したかったので、

ゆゆさん、明日バースデーですよね。来れますか?
と、聞きました。

明日は、仕事が遅くなるから来れるかわからない、と、ゆゆさん。

それじゃあ、カウントダウンして、日付が変わったら乾杯しませんか?


と、提案し、ゆゆさんは、日付が変わるまで残ることにしました。

しばらくして、店長がこっそり言いました。
Nさんがゆゆさんにケーキを持って来たんだけどどうしようか。

ちょうど日付が変わったら乾杯しようと言っていたことを伝えました。

23時位になったとき、ゆゆさんが、ちょっと苦手な人物、クリームさんが来ました。

クリームさんは、近くのブティックの店長さんなのですが、
以前、カフェで店長に怒られた後日、

たまたまクリームさんのブティックに買い物に来たゆゆさんに、
クリームさんは、店の奥で散々ゆゆさんに愚痴をこぼし、カフェの店長との仲直りの間を取り持ってほしい、と、ゆゆさんに頼んだのだそうです。

そんなことをしたら、ややこしくなる、と断ったゆゆさん。
以来、そのブティックに行くのが気がおもくなり、電車に乗って、同じブランドの別の支店に行くようになってしまったというのです。

クリームさんが来ると気まずい、と、ゆゆさん。

やっぱり帰ろうかな、気まずい、とつぶやきました。

ゆゆさん。

プレゼントや、乾杯は、いいのですが、

Nさんのケーキは、Nさんが買ってきたケーキがぁ。

もう、サプライズには出来ず、

誰とは言わないけど、ケーキを用意してあるので出来たら居て欲しいと伝えました。

電さんも、クリームさんが来たら気まずいようです。
さらに、電さんを目の敵にしている団君も来たので、更に気まずいようです。

電さんも、

帰ろうかな、とつぶやきました。

ちょっと待って。あと35分、と、あっちゃん。

あっちゃんは、終バスを見送って、ゆゆさんの乾杯の為に残っているのです。

団君が席の近くにやってきました。
先日、あっちゃんのバースデーパーティーの時のケーキ代を一部負担したい、と言っていて、その代金を持ってきたようです。
じゃあ、二千円で、端数は手間代で。

と、お札を二枚出した団君。

なんだかお札の色が、違って見えます。

千円札ではなく、一万円札です。

あの、これでいいんですか?

そう言うと団君も間違いに気がついた様子です。

間違い、これ出しちゃうと、今月暮らせない。

あの、私は、そのお札でも、構いませんが。

無理です。今度持ってきます。

そういう団君に、ゆゆさんのバースデーと、バースデーケーキをNさんが用意している話しをしようとしました。


今年も宜しくお願いします。今年も宜しくお願いします!

大きな声で、周囲に挨拶をはじめました。
だいぶ酔っているようです。

TO君が去年亡くなったので気持ちは喪中という団君。
宜しくを、強調して、おめでとう、を言わせないようにしているみたいです。

結局、団君には、カウントダウンを、知らせずに、日付が変わりました。

お祝いのケーキが登場し、ゆゆさんのバースデーが知らされました。

言ってくれよ!と団君。
俺何も知らされなくて、つまはじきじゃないか。

知らせる間を持たせなかったくせに、スネるようなネガティブ発言です。



私と、あっちゃんは、用意していたプレゼントを渡しました。

Nさん目的が果たせてニコニコ。

何となく、手ぶらが気まずそうな、電さん。

色紙書きますか?

用意してきた色紙を出しました。

プレゼントにはならないですが、お祝いムードにはなりそうです。

クリームさんが、手持ちのカードに、バースデーメッセージを、周囲の男性君と、見知らぬ人3人の連名で書いて持ってきました。

深夜のバースデーです。

盛り上がってよいのですが、

色紙を書かないと帰りにくいです。

翌日も仕事で、既に眠い時間なのに。

電さん、何故かかなりの時間をかけて、イラストを作成しています。

あの、出来ればもう少し手短に。。

Nさんが、色紙にフランス語で
「好き」というような言葉を書きました。
ハートマークも付けています。

Nさん、じわじわ積極的です。

色紙がクリームさんに渡りました 。

先ほど、カードにメッセージを書いたクリームさんでしたが、
色紙にも字で、空いたスペース一杯にメッセージを書きました。

サービス精神なのか、
ややKYなのか・・・。

まだ書いていない人が書くスペースが足りなくなりました。

店長は、隙間に、小さく書きました。

ゆゆさんも、みんなが色紙を書いてくれているので、遅くまで残っていました。

あっちゃんも翌朝早いので、先に帰るね、とお会計をしました。
私もゆゆさんもお会計をしました。

みんな帰るなら、と、団君、クリームさを達もお会計。

ところが、

最後にお会計を頼んだ団君達の会計を、スタッフさんが先にしてしまいました。

全てサクサク進めば問題ないのですが、

酔っ払った団君、クリームさんが出口で、うだうだしていて、急いで帰りたいあっちゃんが、お店を出ることが出来ません。

あっちゃんは、イライラしてきていました。


あれ、奥の人達帰らないのかな。
どうせ、イチャイチャしてんだろ。

自分達が出口を塞いでいるから、帰れないに、
そういう悪態をつく団君に、あっちゃんはかなり怒りを感じたようです。

とりあえずハラハラしながら乾杯できたカウントダウン。

後に、あっちゃんのイライラが尾を引きます。