おじさん、韓国時代劇に嵌(はま)っております。
「宮廷女官 チャングムの誓い」(原題「テジャングム(大長今)」)
〔全54話〕あたりから始まり、「イ・サン(李祘 )」〔全77話〕、
「トンイ(同伊)」〔全60話〕に至り、病膏盲に入る(やまいこうこうにいる)
といったところですか。
これらは、いずれもMBCのイ・ビョンフン(李丙勳)監督の演出で、
彼の手がけた他の作品も、「ホ・ジュン(許浚)~宮廷医官への道~」
〔全64話〕、「サンド(商道)」〔全50話〕など、みな当たり外れがなく、
巧みなストーリー展開と演出で、観客を飽きさせることがありません。
一般に、韓国ドラマは長編で、中には全200話といったものもあり、
付き合っていくのは大変ですが、手ごろな長さで、全ての点で優れた
作品として、「ファン・ジニ(黄真伊)」を挙げておきます。
KBS/2006年制作 全24話 DVD12巻
演 出 キム・チョルギュ
ファン・ジニ役 ハ・ジウォン(河智媛)
(ミョンウォル)
キム・ウノ役 チャン・グンソク(張根碩)
キム・ジョンハン役 キム・ジェウォン(金載玩)
その他
NHK出版 定価1,360円(税込)
黄真伊(ファン・ジニ)(1520年代~1560年代)は、朝鮮王朝第11代
中宗(チュンジョン)の頃に実在した妓生(キーセン)で、女流詩人。
妓名はミョンウォル(名月)。旧都松都(ソンド)(現在の開城(ケソン))
の教坊(妓生の養成機関)に所属し、歌舞音曲に優れていたばかりでなく、
身分は賎民でありながら、高い教養を身につけ、当時の文人・学者と対等
にわたり合ったと言われています。その「時調(シジョ)」と呼ばれる朝鮮の
定型詩や漢詩は、教科書にも載せられているほどです。
物語は、都漢陽(ハニャン)(現在の京城(ソウル))の教坊の妓生との
競争、師である教坊の長との確執を通じて、ミョンウォルが「真の舞」を
完成させるまでを描きます。
前半では、両班(ヤンバン)(朝鮮の特権貴族)の子息キム・ウノとの
初恋、悲恋を、後半では、同じく両班で政府高官のキム・ジョンハンとの
身分違いの許されない恋が描かれています。
チャン・グンソクは、どうでもよいとして、キム・ジェウォンが、他の出演
作品と違い、落ち着いた、清潔感あふれる良い演技をしています。また、
彼のまとう両班の、孔雀のように美しい衣裳も見ものです。
しかし、何といっても、このドラマの最大の魅力は、ハ・ジウォンの演技で、
彼女の舞はあくまで軽快、また、眼差しは挑発的で、あの目で睨まれたら、
おじさんはイチコロですね。彼女は、どの作品でも「睨んで」いますなあ。
キム・タクファン(金棹桓)著
早川書房 定価各(571円+税)
原作本と言われているが、こちらは、晩年のファン・ジニが、師である儒学者
徐敬徳(ソ・ギョンドク)を偲びながら、自らの生涯を回想するという形式。
現代ドラマですが、折りしもこの4月5日(木)から、NHKBSプレミアムで、
ハ・ジウォン主演「シークレット・ガーデン」(SBS2010年)〔全20話〕が始まり
ます。(毎週木曜日23::15~0:15)
NHKが随分力を入れて宣伝しています。ハ・ジウォンのアクションが
楽しめそう。 乞う、ご期待。
学研 定価1,890円(税込)
史実とドラマの違いについて非常に詳しく、
歴史ドラマ鑑賞の必携本。



