道尾秀介「水の棺」 | 紆余曲折迷走結婚生活

紆余曲折迷走結婚生活

家も完成し、漸く夢っちんと暮らし始めました。何とか、日々、穏やかに過ごせたら・・・と思う毎日です。

最近、道尾作品をよく読む。
好きなのかもしれない。


さびれた温泉街の老舗旅館の長男、中学二年生の逸夫は、普通な生活・普通な自分に嫌気がさしている。
ある日、文化祭で同じ係りをする事になり言葉を交わすようになった敦子から、
タイムカプセルの手紙を一緒に取り換えないか、と持ち掛けられる。
「普通」でなくなった生活に、色めき立つ逸夫。
しかし、敦子には秘めた決意があった。
手紙を替えたら、ダムから身を投じる。
一方、逸夫は、ふとした事から祖母の秘密を知ってしまう。
ずっと「お嬢様」然としていた祖母だが、実はダムの底に沈めた過去があったのだ。
秘密を逸夫に知られてしまった事で、急に老け込む祖母。
敦子と祖母、二人を絶望から救う為、逸夫は文化祭で使った人形を自分に見立ててダムから投じる事によって、生まれ変わろうと提案するのだった。


相変わらず、読後感が良い。
登場人物に救いがある。
最後の最後、祖母は呆けている。
けど、それが「やっと安心して自由になれた」と思える。
うん、また道尾作品を読みたい。



わん紫陽花