体育祭の種目決め
私が通っていた中学校では、6月に体育祭がありました。
個人種目と団体種目の両方に出るのが必須で、先生には「側弯だから優先で決めて良いよ。体育委員に言っとくね。」と言われていました。両方優先にしてもらうのは流石に悪いなと思ったため、個人種目だけ優先して決めさせてもらうことにしました。


「腰が悪いから優先ってズルくない?」
個人種目は、50m走・100m走・障害物走・ハードル走の4種目でした。私は、あまり腰に負担をかけないようにと医師から言われていたのもあり、迷わず50m走を選びました。しかし、どの学校もそうだと思いますが50m走は人気種目。当然クラスの女子の大半が50m走を希望していました。

体育委員が出場者の欄に私の名前を書いた時、「なんで?皆で決めないの?」と1人の子が声を上げました。それはクラス内カースト上位のバレー部の子で、少し苦手なタイプの子でした。「ごめんね、私腰が悪くて…優先で決めて良いって先生から許可得てるの。」と必死に訴えました。その子は不満げな顔でしたが渋々頷いてくれました。

しかし、その後に「腰が悪いから優先ってズルくない?」とボソボソ呟いているのが聞こえました。「そうだよね、私がこんなんじゃなかったら、このクラスにいなかったら、皆平等に決められてたよね。ごめんなさい、ごめんなさい。」という言葉が頭の中をぐるぐるしていました。他のクラスメイトは、「miffyちゃん大丈夫?」「無理しないでね!補欠もいるから!」「体に不調がある人は優先するのが当たり前だよ!」と声をかけてくれましたが、その言葉も100%信じることが出来ませんでした。


私の存在は誰かの迷惑なんだろうか…
体育祭の種目決めも終わり、お昼を食べながら言われたことを思い返していました。もしかしたら優しい言葉をかけてくれた友達も「miffyちゃんズルくない?」「腰が悪いごときで?」「腰が悪いんだったら出なきゃいいじゃん」とか思ってるのかもしれないと考えました。私の前に座る友達、私の前を歩く友達、お昼休みに校庭で走り回る友達。そんな友達の姿を見ている中で、「なんで自分ばっかり辛い思いをしなきゃいけないの?」「私なんか迷惑な存在なんだろうな」と悔しさと悲しみがぐちゃぐちゃになって込み上げてきて、心臓が締め付けられるような感覚になりました。

その場にいるのがどんどん辛くなって、最終的に御手洗に駆け込み、声を押し殺して泣きました。いつからこんな弱い自分になったのか、こういう運命なのか、早くこの状況から解放されたい、でも解放される方法が分からない、誰かに理解して欲しいと思っても結局はそこまで理解して貰えない、誰も迷惑をかけたいと思ってかけてるわけじゃない、この気持ちなんて誰も分からないんだ。

暫く1人で泣きました。


(Age:14🦋2016/05)