①
どんな手段でも,また,たとえ非道徳的行為であっても,結果として国家の利益を増進させるなら許されるとする考え方。
②
目的のためには手段を選ばないやり方。権謀術数主義。
マキャベリズムという言葉のもととなった。。ニコロ・マキアヴェッリ。
著者はもちろん塩野七生さん。
いやーーーイメージと全然違う人だった。
悪評高い「マキャベリズム」だし、お堅い思想家で作家かと。
ニコロ・マキアヴェッリ(1469-1527)。
舞台はルネッサンス期のフィレンツェ。
中流(父は弁護士、名門家系ではない)のノンキャリ(大学卒ではない)官僚だった。
やり手で熱心で、大統領の秘書としてフランス王やドイツ王、ローマ法王との交渉役をこなしながらも
名門ではないので、一介の役人として扱われる。
メディチ家⇒サボナローラ⇒共和制の終身大統領制⇒メディチ家
共和制の終身大統領制の15年間、役人として活躍し
メディチ家復活により失脚し、「君主論」「戦略論」を書く。
当時も話題になり、出版され読まれたそう。
でもそれだけじゃなく、喜劇作家でもあり上演もされて人気だったとか、
へーーーな連続。手紙が残っているので、人間的な面が良くわかる。
「マキャベリズム」という言葉の持つイメージと違うんだけど。
なんといっても当時は「マキャベリズム」政治だらけだったんだし・・
それを理論的にまとめただけでは。
無茶に無策で戦争に突入するより、陰謀でも情報戦で血を流さずに有利にした方が
いい時もあるよね。
やりすぎた感のチェーザレ・ボルジアをモデルにしたのが、悪いイメージになったのか。
マキアヴェッリの活躍した時代は
ルネッサンスの終わり、イタリアは都市国家に分かれてて
他国の脅威にさらされている。
神聖ローマ皇帝(今のドイツオーストリア)兼スペイン王のハプスブルク家のカルロス。
フランスはフランソワ1世。
イギリスはヘンリー8世(エリザベス1世の父)。
トルコはスレイマン大帝。
と各国大物ぞろいじゃん。
この中での、フィレンツェの無策と、ローマ法王の無能がイタリアの悲劇。
大国による戦争の戦場としてイタリアは混乱。
マキアヴェッリの晩年には、ドイツ・スペイン軍が一日でローマを落とし、
略奪破壊される。以後、イタリア支配はハプスブルク家に。
