ヒッチハイクの旅の総括でも。 | チー旅。〜世界一周する(仮)〜



「チーさん、わしは死ぬ。」

時刻は午前3時。

なぜタビジュンが死にそうか。

なぜこんな時間に起きているのか。

一体タビジュンに何があったのか。




ここはチリとボリビアの国境。

ああ、昨日私たちはチリを出国して

ボリビアに入国したところでストップしたんだ。

確かここは噂によると標高5,000m以上だとか。




その前に一度猛烈な吐き気に襲われるチーさん。

吐き気で起きて寒さで起きて。



「チーさんわしはもう死ぬ。」

「死んでまう。」

「チーさん!寒いよおおお!!!」




兄さんがもだえ苦しむのも無理はありません。





もう何度目の野宿でしょうか。

フィッツロイに始まり、

いくつもパタゴニア地方の寒い所で

テントを張って夜を明かしてきたはずなのに、

いつだって私たちは寝る前に

「なんだ意外に寒くないじゃん♪」

と余裕をかまして寝袋に入る。薄着で。

いっつもそう。全っっ然学習しない。



何を思ったのか今日は寝心地重視のタイパンツです。

「東南アジアと同じ格好ってなんやねん。」

自分に腹が立つ兄やん。

着替えようものなら、時間をかけて体温で温めた寝袋から出て

また一から寝袋の中の温度を戻さなければなりません。

そんなことするぐらいなら死んだ方がまし。



何度も何度もテントの中で目が覚めて太陽が昇るのを待った。

「はよ太陽昇れや。」

お願いですはやく昇ってください。うちの兄やんがご立腹です。




外が明るくなり始め、

太陽が温める空気に目が覚めた。






地獄の野宿、終了です。

お疲れ様でした。



後から聞いたら、兄やんもあの後、

吐き気と貧血の症状に悩まされ、まじで死にそうだったらしい。



その後に余ったチリペソで買った

初のボリビア飯がまず過ぎで気絶。



うううう。

もう、しんどいよ…。

おいしいご飯を、もういい!ってぐらい食べたい…(泣)




よし、行こう。

今日はゴールのウユニの町まで行ける。

これが最後だ。



それにしてもここ、おしっこ臭かった。

横のレンガ造りの建物は、トイレか?






走り出したキャンピングカーはひたすら続く未舗装の道を走る。





揺れに揺れる車の中で車酔いと高山病にぐったり。





ボリビア、今の所、舗装道路を見ていません。






ウユニ村まで送り届けてくれた仲良し家族。

本当にどうもありがとう!



さて、約3週間に渡ってタビジュンと旅して来ました。

あんまり旅って言い方しないけど、

このヒッチハイクしてた期間は本当に「旅」だった。





昼近くになったらテントの中で起き出してごはんを作る。


ごはんはインスタントのお味噌汁だったり、

サンドイッチを作ったり。



テントをたたんで荷物をまとめて

道路に立って親指を立てる。




5分でつかまる日もあれば2時間以上捕まらない日もあった。



今日乗った車で、どこまで行けるかも分からない。

今日どんな町に辿り着くかも、

どんな所で寝るかも、どんなものが食べられるかも。



そんな目先のことが分からない毎日が最高に楽しかった。



私たちを乗せてくれた人は、もれなくやさしい人だった。

リスクを背負って見知らぬ旅行者を

自分の車にタダで乗せてくれる人は、

人にやさしくするなんて大前提で

車に乗ったらジュースを分けてくれた。

わざわざご飯を御馳走してくれた。

たくさんスペイン語を教えてくれた。

日本の事に興味を持ってくれた。

パタゴニアの山や自然の事を車の中から教えてくれた。




一日の終わりは、日の傾きでおのずと決まった。

「今日は次の町でストップだ。」



辿り着いた所でテントを張ってスーパーに行って

少しだけ食材を買ってごはんをつくる。

火の偉大さを知った。火がないと本当に大変。

薪を集めて火を炊いた時もあった。

スーパーがない時もあった。空腹のまま寝た。



シャワーが浴びれない日もあった。

ガソリンスタンドのトイレで頭を洗ったりした。



過酷に思うけど、本当に毎日楽しかった。

人のやさしさは私の心をあたたかくしてくれた。

ここまで来れたのは、ここまで南米が好きになれたのは、

乗せてくれた人たちのあたたかい気持ちに触れたから。

彼らがくれた愛はどれもあたたかった。


この経験がこれからの私の人生で

他の誰かに与えられるやさしさになるように

ずっとこの気持ちを忘れずにいたい。



そしてなにより、ずっと一緒にいたタビジュン。

タビジュンとは11個も年が離れている。

だからかは分からないけど、タビジュンはいつも

「大丈夫?無理したらあかんで」と心配してくれて

つらい炎天下の時はいつも励ましてくれて

ごはんを作ったら感謝してくれて

一緒にいる時はずっと笑わせてくれて

ためになるいろんな話をしてくれた。





それであって、遊ぶ時はいつも同じレベルだった。

古い友達みたいだった。



おかしいやつだ。大人なのか、子どものか。




あんまり書くと怒られるのですが、続けますね。




人を楽しませるのはそんなに簡単じゃない。

その人に合わせた会話が出来ないといけないし

その人との距離感を理解していないとできない。



タビジュンと一緒にいると学ぶことも多かった。

本当に最高の時間をありがとう。



さあ、ここはあのウユニ。

どんな景色が待ってるのかな。




5位です。ありがとうございます。

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