いつも夏が来ておもいだすのは、 `A midsummer night`s dream`である。
人間たちと妖精たちとによる恋のファンタジー物語![]()
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ハーミア(H)は父親が婿と定めたデメトーリアスが好きでなく、
ライセンダー(L)を愛している。
二人は森の中に行き、夜の帳があたりを包む。
そして、そこで寝ることを決める。
L.芝はひとつでも二人分の枕に十分だ。
心は一つ、ふしども一つ、
二つの胸を一つの誠に。
H.いけません。お願いだからもっと離れて。
そんなそばによってはだめ。
L.ああ 誤解してはいけない、なんの底意があるものか!
愛するもの同士に、注釈は要らない。
つまり、僕の心は君の心に結ばれている。
したがって、二人でいても心は一つという意味だ。
それから、この二つの胸は一つの誓いにつながっている、
だから、二つの胸を一つの誠にさ。
それから、そばに寝たからって、何もいうことはないだろう、
こうして君の横に寝ても、決して邪な夢は見ないだろう。
(福田恆存訳)
(つづく)