七夕

別浦今朝暗

羅帷午夜愁

鵲辭穿線月

花入曝衣樓

天上分金鏡

人間望玉鉤

錢塘蘇小小

更値一年秋



「七 夕」

あなたとわが身を 隔つ川

暗く淀みて 広がりぬ

一年のちとの 約束の

ほんに今夜は 逢えるのか
 
たなばた飾り たなびいて

暗き庭から 忍びいで

はやる心を 抑えつつ

ただ待つことが わが習い
 
いつしか夜も更け 半月の

淡き光に 天の川

とけゆき 星も出会う頃

君の匂いに 振り向きぬ
 
こうして今年も 夏が過ぎ

はかなき逢瀬も 過ぎゆきて

待ち暮らす日の 始まりに

めぐる願いは 届くのか





訳は、http://yonosk.at.infoseek.co.jp/index.htm より拝借しました。

詩ごころに溢れた素晴しい超訳で、学者先生のような理屈っぽいそれではない。

李賀のほかの訳も↑でご覧下さい。



蘇小小は六朝の南斉のとき、銭塘(杭州市)で名妓とうたわれた妓女で、

李賀よりも四百年ほど前の人である。その墓は杭州の西湖のほとりにあって、

風雨の夜にはそのあたりから歌や笛の音がきこえてくるという伝説がある。

(駒田信二)



上記は、ゾロ目年=07.07.07.からの抜粋・再録です。