「Die Meistersinger von Nuernberg」 と ナチス。。



先日『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(以前は「名歌手」などと訳されていたが
適しくなく、最近のように「マイスタージンガー」そのままでよいとおもう)を書いたが、
先月だったかある夕刊紙のディスク欄で、カイルベルトの演奏のCD化が案内されていた。


是非聴いてみたいと願っている。


ところで、今年のバイロイト音楽祭でこの楽劇をワグナーの曾孫娘が演出したら、
大ブーイングの嵐だったという。
彼女はこう語ったという。

「闘わなければだめ。立派なザックスも偉大な曽祖父のワーグナーも結局はナチを生んだ。
ブーはノーマルなこと。
ザックスが歌うドイツ芸術に、真実は無い。ヒトラーに称賛されたあらゆるドイツ芸術を
燃やした。本当は父(ヴォルフガングワグナー)はこういう舞台を望んでいたと思う。
オペラから現代の若者が離れている、もっとポップな感覚のものとしてワーグナーの作品
に触れ、好きになってほしい」 
 
(毎日、産経)


今回の作品は、ヒトラー、ナチスに国粋主義発揚のために利用された曾祖父の音楽に、
ひ孫が真摯(しんし)に向き合った結果生まれたともいえる。
高辻知義東大名誉教授は「戦後のバイロイト音楽祭での上演では、この面に対する反省が
はっきりと盛り込まれることはなかった。このことを強く意識したカタリーナは作品の
細部にわたって読み替えを行い、作品の現代への結びつきを重視し、問題を芸術の
在り方に絞った」と演出の意図を指摘した。
 (産経)


時代はどんどん変わって行く。
もやは「歴史的懐古的」な演出は必要なく、時代にマッチする方向に。。
はやくDVDで発売にならないかな?



(上記の記事は、2007・8・26の再録です)