子夜春歌      郭震(唐)

陌頭楊柳枝     陌頭楊柳(はくとうようりゅう)の枝

已被春風吹     已(すで)に春風に吹かれたり

妾心正斷絶     妾(しょう)が心正に斷絶するも

君懐那得知     君が懐いを那(なん)ぞ知るを得ん




道の柳はなよなよと

風に吹かれているわいな

あなたの気持ちがわからない

わたしの心はものぐるい


(松下緑訳。片仮名を改めました)




道のほとりの青柳を

あれ春風の吹きわたる

わしの心のやるせのなさを

   
思ふあたりに知らせたや



(服部南郭:江戸時代。松下さんの本より)