中国経済が諸先進国のどこよりも「繁栄」の様相を呈している中、
いまこそわが世の春を謳しているはずの中国エリートや富裕層が
むしろ群をなして海外へと逃げていったというのは一体なぜなのか。
中国国内の環境汚染や食品・医薬品の安全問題、公共サービスの悪さや
社会的不平等さ、法体制の不整備と権力の横暴を原因とする「不安感」や
投資・ビジネス環境の悪化などが、多くの人々を海外移住へと
駆り立てた諸要因となっている。
中国の自然・社会・政治・経済環境の全体、すなわち「中国」そのもの
全体に対する中国人自身の嫌気と不信感こそが、現在の第三次移民ブーム
を引き起こす要因となっている。
【石平のChina Watch】
(11・18付 WEB産経より)