タイトルの本は昨年九月にこちらで紹介しましたが、
手許に届くまで三ヶ月ほどかかりました。

図書館に予約したのは九月半ばで、漸くクリスマスの前に
入荷のメールがありました。
実際に取りに行ったのは、年末で図書館の閉まる直前でした。
数日前にやっと読み上げたのです。


全体の印象は、前評判に拘らずやや期待外れでした。

著者はカラヤンの70年代半ばから最晩年まで、日本での
公演他で秘書通訳を務めたかたです。
ファミリーからも絶大なる信頼を得ていたようです。

ボーイがこの本であらたに知った事実は多いのですが、
それはごく副次的なことに過ぎません。

ボーイがこの本に期待したのは、カラヤンの音楽を著者が
どう見ているのか?。。

つまりその音楽なり或いは音楽を通じてのカラヤンをどう
思い、どうその音楽に感動したのか? 

著者のより具体的かつ率直なカラヤンに対する演奏、
音楽観、そして評価なりを披瀝して欲しかったと思います。

なぜならば、日本にいる日本人よりもずっと多くの演奏を
欧州で長い間聴かれているからです。

(つづく)



帯:一九七三年のインタビューを機に彼の絶大な信頼を得、
以後、通訳秘書を務めた著者が語る巨匠の素顔。
シャイで口数少ない一方で、オペラの話になると多分に饒舌、
食事のときはよく笑い、荷物のパッキングは驚くほど整然として
、時に夜中の電話で弱音を吐く…。
なぜ彼は「完璧主義の音楽ビジネスマン」と誤解されたのか?
初めて出会う人間カラヤンの記録。


著者:ベルリン・フィル来日の際は、カラヤンのコーディネイト兼秘書役を務めた。
その後カラヤンらのもとでオペラ製作の方法を学ぶ。
1983年サントリーホール設立プロジェクトに参加し、オープニング・シリーズ
の海外企画を担当。
現在、エグゼクティブ・プロデューサーとして、ホール・オペラ
ウィーン・フィル演奏会の企画を手掛けている