11/16付 「大岡昇平:S街のこと 2.」として
↓を書いた。


もうひとり、S学園出身の文学の大家に大岡昇平がいる。
出身のみならず、S街に長年住み死んだひとである。

最晩年、「S便り」という日々の出来事の軽いヱセーを
連載していた(雑誌名は忘れた)。

毎月その雑誌が出るのをたのしみにしておりーなぜかなれば
じぶんの生まれた街が表題になっているのでー、本屋で立ち
読みしていた。残念乍ら、内容は全く覚えていない。
身辺雑記のような記述が多かった所為かも知れない。

大岡昇平はボーイの数少ない尊敬する作家、或いは文学者の
ひとりである。

その小説、文学論、翻訳、評論、裁判、音楽論。。


いま書き込む時間が取れぬので、また戻ってきたい。
(その時間あるかどうか



その後、「Sだより」を取り寄せ読んでいる最中だが、やはり
大岡はただ者ではなかった。
上に記したとおり、忘備録も兼ねた発表を意識して記した
日記風の軽いヱセーだが、大岡の知的関心は幅広く驚くほどだ。

まえに、加藤周一と吉田秀和のことを書いた折り、前者は
後者はの人だったとしたが、大岡は、加藤と吉田を足して
二で割ったような人物におもえてしようがない。

発表雑誌は記憶なしとしたが、「文学界」に81-86年に連載
(全三巻)された由で最晩年の読み物である(87年死亡)。

とにかく大岡の膨大な読書量にはたまげてしまうショック!アップ!!

当時、おいらは本屋で立ち読みしていたにちげぇーねぇーよ。
何せ文芸雑誌は高くて手が出ないのと、殆どが連載ものなので
買うメリットが少いのだ。

ひとつだけ引用しておきたい。

ケメルマン の「ラビ」シリーズを読んでの所感である。


1970年以来、日本はイザヤ・ベンダサンなる日本国籍の
ユダヤ人の文明批評家にかきまわされ、221万人の日本人が
その本を買わされているが、彼は私同様人をあしざまにいうという
戒律を破っている。

(ユダヤ教の戒律ではひとをあしざまにいうのは大変重い罪である、
とケメルマンは記している、と。
当時、未だベンダサンが山本七平とは知れてなかった筈)