列福式について意識せずに目に留まったのは、これまで
何度か引用した東京大司教の言(HPより)である。


昨年の11月24日、ペトロ岐部と187殉教者が長崎で福者の列に
加えられたことを皆さんはご存知だと思います。

188人の中に女性は60人おられます。
60人の中で特にわたくしは小笠原みやという方に強い印象
を持ちました。
小笠原みやは小笠原玄也の妻、そして9人の子どもの母で
ありました。

また小笠原家には4人の奉公人がおり、全部で15人が一緒に
暮らしていました。

この小笠原家15人が1636年1月30日、熊本で殉教しました。

ここに信仰・希望・愛で結ばれた15人の家族の固い結束が
見られます。
400年経った今から見れば、この事実は大きな驚きです。

小笠原みやの遺書が残っています。
彼女は殉教が予想される状況で、しかも非常に貧しい生活のなかで、
9人の子どもを生み育てました。

彼女は殉教のときを「今か今かと待ち候」と書き残しています。


(つづく)

(2009年3月20日 S教会*にて S教会付属文化教室・閉園記念ミサ説教)


*S教会は、昨年暮に母の葬儀を営んだところである。