文庫本二冊を求めると、事務員さんは長崎訛りで言った。

ルルドはこの上を登ったところにあります、
どうぞお参りしてください。
記念館は教会の下で4時までです。

売店の中庭に前のローマ法王訪問の記念碑があった。
81年2月xx日とある。
ほかの教会でも石像の碑があった。

蒸し暑い日で丘(山)を登るのはしんどかった。
途中、いくつものレリーフがあったが、「原義」の意味が
よくわからなかった。
第一から第七?原義まであった。

やがて中庭作りの場所があり、
高い所に聖母像は立っていた。
少女像がその下で聖母に向かい祈りを捧げている。
ベンチがいくつも配置されている。
セレモニー(ミサ)用なのだろう。

マリア像に向かい、心の中で母に叫んだ。


婆さん遂に来たぜ。

本河内、あの小さな雑誌の出版元だよ!
こんな立派な眺めのよい場所だったんだ。
どうかこの高みから、姉の家族やうちの家族を
守ってください!
祝福を与えてください。

また天国でも親父とけんかしないで明るく仲良く
愉しくいつまでも暮らしてください!
ここに導いてくれてありがとう。。



母を励ましたであろう雑誌に感謝した。

涙が止まらなかった。

暫くそこに座っていた。

誰も来なかった。

9月15日午後二時頃だった。。


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