AVE VERUM CORPUS

野村良雄芸大教授はこの曲につきこう述べられている。


この讃歌の原型として今日も歌われているグレゴリオ聖歌旋律はー
(中略)ー聖体奉挙(聖変化したパンおよびブドー酒が司祭によって
奉挙される)の時歌われたものという。

すくなくとも13世紀中葉以前にさかのぼることができる。

そして今日においても、この讃歌は「十字架についた聖体」ではなくて、
パンとブドー酒の形式における聖体を讃美するものであることは
(それ以来)変わっていない。

モーはこの歌詞に旋律形や和声法の静止と急迫、長調と短調の対照
などを通じて、非常に深刻な表現を与えている。


ことに第二部に入ってからのソプラノの五度跳躍の叫び、
メリスマ形による死の不安の表現、半音階的なバスの動きなどに、
最晩年の高みをうかがうことができるであろう。
(1956年)

 -「宗教音楽の歩み」1963年 音楽之友社より 


ウィーン少年合唱団で(←)。