いかにも岩波好みのお堅い本である。

裁判員制度なんていかにイイ加減なものか背景がよくわかる。
答えの出ているヤラセに近い制度。
国民に裁判へ参加させる..とは恐れ入る。

空恐ろしくなること請合い。。


「司法官僚」 新藤宗幸著 8月刊 岩波新書

 ー裁判所の権力者たち

帯:全国の裁判官の人事や予算といった司法行政をつかさどる
最高裁判所事務総局.
その幹部を構成する「司法官僚」とは,裁判を担当しない
エリート裁判官たちである.
彼らはどんな経歴の持ち主なのか.
判事たちをどのように「統制」しているのか.
その実態と司法の病理を検証し,市民のための裁判所のありかた
を提言する.



全国にはおよそ3500人の裁判官がいます。
彼らは、私たちの人権を守る「砦」として、憲法で自立を保障されています。
しかし、本当に市民の自由を守ろうとしているのか、首を傾げたくなるような
判決もたびたび見られます。
そうした裁判所の「消極性」はいったいどこからくるのか―
著者が目をつけたのは、裁判所の中の「司法官僚」という存在です。

「司法官僚」という言葉は、あまり聞きなれないかもしれません。
裁判官の任用や昇進などの人事、予算などの司法行政を担う人たちのことで、
おもに最高裁判所の中にある事務総局で働いています。

著者は、彼らのことを「裁判官の衣をまとった行政官」と呼んでいるように、
裁判官ではありつつも裁判を担当することはないそうです。
この「司法官僚」こそが、さまざまな形で、全国の判事たちを「支配」
「統制」しているのではないか―

本書では、さまざまなデータをもとに、エリート裁判官である
「司法官僚」の実態を分析しています。
組織としての裁判所がどのように動いているのかを描き出す一冊です。

裁判員裁判がスタートしたというニュースが注目を集めていますが、
裁判所のあまりみえてこない裏側の姿を本書で触れてみては
いかがでしょうか。
(新書編集部)