すこし前に、若杉さんの短い追悼記事を書いた。
ボーイは三回ほど若杉さんの実演をきいた。
最初は、前回書いた中二のときの読売日本交響楽団。
二回目は、大学一二年の頃のNHK交響楽団(旧NHKホール)。
(R.マタチッチの代役として)
上記はTV録画用であり、ロハだった。
最後の三回目は、二十二三年ほど前の「メサイア」(救世主)だった。
沿線の厚木市民会館。オケは以前にも書いた音大のオケ。
なんで若杉さんほどの方が、学生オケの指揮を受けたのか
分からない。
場所を変えて三回指揮されたとおもう。
入場料は僅か五百円だった
(去年は二千円だぜ!
若杉さんの基本的な演奏スタイルは、最初のコンサートから
全く変っていなかった。
生真面目で清潔、自分は後ろに控え音楽の歓びを前面に押し出し、
全身に体現する指揮振りだった。
楽譜にできるかぎり忠実に細か過ぎるほど誠実な指揮ぶりは、
ほんとうに頭が下がるおもいだった。
最初に作曲者と作品があり、みずからは一歩下がってという
スタンスをおそらく終生とられたに違いない。
メサイア、最後のパート「アーメン・コーラス」でアクシデント。
もうまもなく最後の盛り上がりの手前で、指揮棒がすっ飛んでしまったの
である
棒く舞い上がり、ヴィオラの前列に落ちた。
指揮者は全然動ぜずにそのままフィナーレへとなだれこんだ。
お見事
アーメンコーラス(←)。