▼意外と分裂しにくい北の中枢
このような流れの中で、今後近いうちに金正日が死去するとしたら、
何がどうなるか。
私の分析は「北朝鮮の中枢は、意外と分裂しないのではないか」というものだ。
北朝鮮には「親米派」と「親中国派」ができていたかもしれないが、
ブッシュが北を敵視し、北の後見役を中国に押しつけたおかげで、
北朝鮮の中枢には親中国派しか存在しない。
外からの影響は、中国からの筋に一本化されている。
この「ブッシュのおかげ」によって、北朝鮮は今後も意外と安定している
のではないかと私は予測する。
経済発展には、内政と外交の安定が不可欠だ。北朝鮮が発展するには、韓国や米国
との対立が解消される必要がある。
その場合に危険なのは、緊張緩和にともなう軍部の縮小に、軍の上層部が反対する
構図である。しかしこれも、北の後見役の中国は、すでに経験済みだ。
中国は、軍にビジネスの利権を与え、軍人に経済開放の恩恵を与えて懐柔した。
北朝鮮は、中国よりはるかに軍の力が権力内で強い。
金正日は、軍を最重視して厚遇し、軍の裏切りを防いできた。
軍は組織保持のため、外交的な緊張緩和を望まなかったから、北の国是は
好戦的であり続け、経済自由化は進まず、北は中国が望む「一党独裁+
社会主義市場経済」の国になっていない。
(つづく)
このような流れの中で、今後近いうちに金正日が死去するとしたら、
何がどうなるか。
私の分析は「北朝鮮の中枢は、意外と分裂しないのではないか」というものだ。
北朝鮮には「親米派」と「親中国派」ができていたかもしれないが、
ブッシュが北を敵視し、北の後見役を中国に押しつけたおかげで、
北朝鮮の中枢には親中国派しか存在しない。
外からの影響は、中国からの筋に一本化されている。
この「ブッシュのおかげ」によって、北朝鮮は今後も意外と安定している
のではないかと私は予測する。
経済発展には、内政と外交の安定が不可欠だ。北朝鮮が発展するには、韓国や米国
との対立が解消される必要がある。
その場合に危険なのは、緊張緩和にともなう軍部の縮小に、軍の上層部が反対する
構図である。しかしこれも、北の後見役の中国は、すでに経験済みだ。
中国は、軍にビジネスの利権を与え、軍人に経済開放の恩恵を与えて懐柔した。
北朝鮮は、中国よりはるかに軍の力が権力内で強い。
金正日は、軍を最重視して厚遇し、軍の裏切りを防いできた。
軍は組織保持のため、外交的な緊張緩和を望まなかったから、北の国是は
好戦的であり続け、経済自由化は進まず、北は中国が望む「一党独裁+
社会主義市場経済」の国になっていない。
(つづく)