北の強硬策の背景にある最大の要因は、正日の健康悪化では
なさそうだという点だ。
最近の強硬策の主因は「健康悪化」ではなくて「オバマ」である。


金正日は、米国の政権がブッシュからオバマに交代したら、
望んでいた米朝直接交渉が始まると思っていたようだ。
だが、オバマは何もする気がないので、
それなら北もやりたかったことを一気にやってしまえ、
米国自身も弱くなっているので北が核実験しても反撃できないだろうと、
核実験などの過激策に走っている。

もともと北朝鮮の核開発やミサイル開発の強硬策は、
冷戦終結とともに中国とソ連から社会主義国としての援助を打ち切られ、
米国から経済支援を引き出す目的だった。


北朝鮮は、米国から不可侵の約束をとりつけるだけでなく、
反米の国から親米の国に転じ、中露を裏切って米国の側に
転向しても良いと考えていたふしもある。



北朝鮮が親米に転じたら、米国は朝鮮半島の北半分も自陣営に組み込み、
中露の影響圏はその分後退する。
北は、米国にとってのユーラシア大陸での橋頭堡としての役割を、
日韓から奪って担う戦略だったとも考えられる。

6・23付 田中宇(http://tanakanews.com/)より。