きょう(8日)の日経二面に注目すべき本の広告が載っていた。

「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」 田中森一著07年6月 幻冬舎

元検事(いまは弁護士)の感想をWebで見たので写しておきたい。

おもしろかった点、興味深かった点を整理すると、全体として、
率直、(ややオーバーな点なども散見されますが)、

1 今まで、田中氏について断片的に語られてきた点が、赤裸々な語り口で
本人によってまとめて説明されていて、
その中で、故・宅見組長や許永中などの人々との関係も明らかにされていること
2 バブル期及びその後の崩壊期の実態や、数々の経済事件について、田中氏なりの体験談
や見方が披瀝されていて、非常に参考になること
3 「事件」に対する独特の見方、取り組み方や、関西検察(特に特捜部)の考え方、
手法がかなり披瀝されていること
といったところでしょう。
一時代を築き、最も、塀の内側には落ちないはずであった田中氏が、詐欺事件で司直の手に落ち、
実刑判決を宣告され、上告中にこの本を出版している、というところに、刑事事件の恐ろしさを
感じますし、田中氏が強調する、予めストーリーが練り上げられた「国策捜査」の恐ろしさ、
ということを感じる読者もいるでしょう。
こういった世界に身を置く人、目指している人、興味を持つ人にとっては、必読の1冊と
言って良いと思います。

追記:
書かれている個々の事実関係についてのコメントは差し控えますが、読んでいて、
ここは自分が辞める前に聞いていた話そのままだな、とか、確かにその通りだな、と思った
部分が多かったのは事実です。最近の「元長官」の事件で、検察ストーリーに沿った報道が、
山のようにされている状況を見ていると、改めて、この本を読んでおく意味、価値を感じますね。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070628より。