もしあなたがすこし古い音楽ファンであったなら、「喜芳」ときいておもい出す
名前がありますか、と伺ってみたい。
往年(というほどでも。。)の名テノール、五十嵐喜芳の名がたちどころに浮かぶ
のではないだろうか? 五十嵐さんは、いまは偉くなってある音楽大学の学長を
されている。おなじ沿線にあったが、ことしの春よりかなりのぼり方向、私鉄の
分岐点の駅近に移った。毎冬にそこのヘンデル「メサイア」に行くのが愉しみで、
この二十年に七八回通っただろうか?
もうひとりの「喜芳」さんは、あのイマQ
「山崎きよし」さんで、この欄でも何回も
登場いただいている。「本気三ヵ条」で大手銀行の支店長時代、多大な実績を残された。
きよしさんの正字が「喜芳」と知ったのは、静香詩集を送付頂いたときでビックリ
してしまった。
「優績店はこうして創る」 山崎喜芳著 92年 近代セールス社
(帯)“再建屋支店長”の異名をとり“ヤマザキ・マジック”とよばれた
支店経営の実態をいまはじめて公開する。
この本は、インタヴュー形式になっているせいもあり、大変わかりやすく読みやすい。
けれども。。 内容的にはとても重い。実行は容易ならざることだ。印象深いタイトルを
いくつか挙げておきたい。
*リーダーの人間的魅力が部下を動かす
*営業店は「人間修行」の場だ
*セールスの成功は人生の成功につながる
*セールスの原点は創意工夫にある
*「人間力を備えよ」新しいリーダーの条件
*自己啓発:人間的魅力を磨く体験のすすめ
*邱永漢氏に人生の楽しみを学ぶ (くわしくは、イマQをどうぞ)
ボーイ、サラリーマン生活三十年。うち十年を国内営業として過ごす。第三四は実感として
自分にも受け取れ、どこの業界でも通じる真理とおもう。 もうひとつは、
*(支店)長の一挙手一投足を部下・取引先は見ている
ほんとうにそのとうりで、とくに内部では、下の者は必ず上の行動を見ている。
上がしたことをすぐ下の者も真似する。中国の役人なども全てそうで、賄賂は公然と
行われる。ボーイ自身も「上」の行動で苦い思いを味わった事が何度もある。
この本は銀行の支店長さんおよびその予備軍だけではなく、もっと広く「長」とつく
管理者とこれから「長」になる方にも、とっても役に立つ実践かつ実戦的な内容
の書であることを明言しておきたい。
略歴(本書より)
都市銀行支店長(現三井住友銀行)として、連続12年、5店舗を歴任。
その間、業績不振店をつぎつぎと連続表彰の優績店に復活させ、再建屋支店長
の異名をとった。そのたくみな支店経営の体験をもにした研修・講演は説得力に富む。
各金融機関の管理者研修会をはじめ地銀協、第二地銀協、信金協などの支店長
研修会の講師もつとめ、豊かな指導力には定評がある。また、支店長時代より
盲人のための「日本点字図書館」評議員、重度心身障害児施設「さわらび療育園」
創立理事、青少年育成団体「たんぽぽ会」リーダーなど、ボランティア活動でも
長年活躍。長崎県佐世保市生まれ、青山学院大学経済学部卒業