きょうの外為市場はいちじ対ドル124円を越した。これに対する市場関係者の明確なコメントは
みあたらない。目先のことばかり考えているからだ。

Qさんがいつも書かれているように、株をかうとき、ぜったいに証券会社のいうことを聞くな、
なぜなら、かれらは毎日の波打ち際のことしか見ていないから、すこし離れた沖のことは見えない。
それとおんなじで、アナリストもその場しのぎのことしか言えない。
中長期的な見方ができる人は誰もいない。ひとつは、かれらがサラリーマンなので当たり障りのない
ことしか言えないという状況もあるだろう。

先日あっぷしたばかりだが、Qさんの見通しをいまいちどここに再録して大方の喚起を促したい。
下記が掲載されたのは07年3月だが少しの古さも感じない。現在の状況にもそのままあてはまる
のではないか? とってもわかりやすい説明だ。

世界中をキョロキョロ見まわしている投機資金がこんな穴場を見逃すわけがありません。
石油の暴騰によって思わぬ大金がころがりこんできた石油成金たちにとっていまこそ絶好のチャンスです。
ですから「大相場が近づいたなあ」と私にも予感が働きましたが、それなら大量の外資が円で日本株を
買うことになるから、円が暴騰するだろうと思って見ていると、円が上がるどころか、逆にジリ安
を続けています。
どこの新聞も、為替のプロもそうした現象について一言もふれていません。
しかし、外人買いによる上げ相場がはじまれば、外国人による円買いが先行するわけですから、
円が上がらないとすれば、それに見合うだけの円売りがあったと考えなければなりません。

先ず日本の個人投資家の中で、そうした円買いに対して売り向かう人があるとはとても思えません。
定期預金の利息が6%から1%以下に下がってもそのまま定期を続ける人の多い国のことですから、
これはプロのやることにきまっています。
つまり銀行とか保険会社とかその他の金融のプロがこの際、金にならない国内融資を続けるよりも、
外貨に換えて海外で融資活動をした方がいいと考えて売り向かっているのではないか――と私は
疑ってかかったのです。
円で貸して安い金利をもらうより、この際、ドルに換えて、ドルで貸した方が有利だと日本の金融機関
が考えたとしても決して不自然なことではありません。

もしそうだとしたら、やがて一相場終わって、次に株を売った外資は円をドルに換えて本国に送金しよう
とします。
その時、円でドルを買おうとしても、それに買い向かうドルはそんなにたくさんはない筈です。
ドルを円に換えても、新しい投資対象が思うように見つからないからです。
だから「日本円は強くなる方向にありません」、そして「日本の株式市場は息切れしてあとは円安に」と
このコラムでも先回りして指摘しました。
(中略)
ただ、株の買占めや株価の操作は日本人の伝統的な道徳基準とうまくかみ合わないので、いずれも司直の手を
わずらわす結果になりましたが、これで時の流れやお金の流れがストップしてしまうわけではありません。
そもそもはアメリカの投資銀行からはじまった動きですから、次は外資が模範を示してくれる番になりそうです。
http://secondlife.yahoo.co.jp/money/master/profile/c103kyuei.html より)