李氏は台北市長や台湾省主席、総統など要職を歴任。後藤の実績や精神を継承し台湾発展に
結びつけたとして選ばれた。
後藤新平は日本統治時代の台湾で1898年から1906年まで、総督府民政長官として
教育や衛生、医療などの分野で行政手腕を発揮、インフラ整備など経済建設にも尽くした。
李氏は講演で「今日の台湾は後藤新平が築いた基礎の上にある」と業績を高く評価した。
李氏はまた、常に外来政権に支配されてきた歴史を持つ「台湾人の悲哀」に触れながら、
後藤が支配者としてではなく、人間として台湾建設を実践してみせた精神力と実行力も評価。
李氏自身、総統時代に「一滴の血も流さず、台湾を軍事独裁から民主体制に変革させたのは
一生の誇り」と振り返った。
さらに李氏は、「22歳まで日本の教育を受けたことで肯定的な人生を見つけられた」と話して、
後藤に限らず、戦前に日本人が台湾で行った経済建設や教育を深く理解した
李氏のような人物が、戦後の台湾の経済建設に大きな力を発揮することができたとの考えを示した。
(Web.フジサンケイビジネス)