【李登輝氏の講演要旨】
多くの人々が中国経済の高度成長に惑わされ、危機の存在を否定するが的外れだ。
重要な事は世界が中国の金融危機をいつ認識するのか、中国政府は如何に問題を
処理するのかなどだ。
中国政府は経済問題が引き起こす衝撃を緩和する政策に転じており、この中には
宇宙計画や北京五輪開催、日本との歴史問題など、大衆の注意力を他の議題に
そらすことも含まれている。
ブッシュ米大統領の弱体化により、米国は一時的に東アジアにおける主導権を失う。
即ち、東アジアでは域内に限定された権力闘争が繰り広げられ、その主軸となるのが
中国と日本だ。
日本は安倍政権時代に、中国と対等に張り合う力を持てるよう努力しなければならない。
李氏は、中国の国有商業銀行の不良債権率は6割に達する との見方を示し、
「07年の中国政治の焦点は、深刻な国内経済問題となり、胡錦濤政権は
人事統制で経済をコントロールしようとするだろう」と指摘した。
(Fuji Sankei Business 1. on the web.)