途中すっ飛ばして、第五楽章の最終部はことのほか印象的だ。
この部分だけ何度もなんども聴く。以前はそんなことはなかったが、
このパートを聴くと涙があふれて来る。
涙腺が弱くなってきたんだなあ。

じぶんの言葉でうまく表現できかねるので、ひとさまのものを拝借すると;

「愛するこの大地に再び春が来たとき、至る所花は咲き乱れ、緑は再び栄えるだろう。
至る所、遠い果てまで輝くだろう・・・・永遠に。」
このあたりでは、それまでの激しい感情がなんともいえず甘く美しい音楽の中で昇華していき、
とぎれとぎれに「永遠に。永遠に・・」と歌う独唱は、チェレスタやハープ、マンドリンの
奏でる分散和音の上で徐々に小さく消えていきます。

(http://cont4.mech.usp.ac.jp/~minagawa/musik/mahler/dlvde.html)

まだ寒い頃、「最終講義」というキャンパスもののなかで、恋人アマーリエちゃん
との別れの場面に、「ewig...ewig.....」としたのは、この最終パートを踏まえている。


Der Abschied
Ich suche Ruhe für mein einsam Herz.
Ich wandle nach der Heimat, meiner Stätte.
Ich werde niemals in die Ferne schweifen.
Still ist mein Herz und harret seiner Stunde!
“Die liebe Erde allüberall blüht auf im Lenz
und grünt aufs neu!
Allüberall und ewig blauen licht
die Fernen!
Ewig... ewig...”


別れ
われ 孤独な心の安らぎを探し求む
故郷へ わが場所へ向かう
もう遠くへは行かぬだろう
わが心は静かにして その時を待ちこがれ
いたる処 この愛する大地 春に花咲き
緑とならむ
いたる処 永遠に 青い空の遠い彼方へ
永遠に 永遠に……