「パンツの面目 ふんどしの沽券」 米原万理著 05年7月 筑摩書房
のつづきです。
欧州製のYシャツの長さについて;
父の赴任先だったチェコのプラハで過ごしたわたしは、ヨーロッパの男たちも、
つい最近までは猿股などはかないできたという厳然たる歴史的事実を確認することになった。
ワイシャツがいまも必要以上に(膝に届くほどに)長くて側面にスリットが入っているのは、
その名残だ。ワイシャツの前身頃の下端とと後ろ身頃の下端で股を覆う。
彼らのズボンの中はそうなっていたらしいのである。もちろん直に見たことはないが。
念のため。
つまりてっとり早く言うと、前後の生地でお尻とですね、たまタマちゃんをば、すっぽり包んで
いたという訳ですね。
だから、ロンドンで買ったシャツも日本のより長めだったんですなあ。
前に読んだ服飾史の本では、Yシャツの先端部が黄金色に染まっている のが普通だったとあった。
つまり、雲固した後、よく拭かずに ー 或いは全然拭かずにズボンをはいちゃうんですね。
(これは18,19世紀の話)
ハナシはシベリア抑留の日本人の証言(多数)に戻る。
かれら(ソ連兵)は、事後、拭かずにズボンをあげてしまうので、「ルパシカ(シャツ)の下端が、
そろいもそろって黄色というか茶色っぽくなっているんです」
(紙というものは、収容所の便所には存在しなかった由)
われわれ日本人の感覚では、「事後」何の処理もしないのは、信じ難いことだが
現実に当時はそうだったことが了解される。 不潔だなあ!
長くなるんで終わりにしたいが、述べたかったことは、
1.欧州ではオトコは猿股を数十年前まで着用していなかったこと。
(いまでも英国では、ケルトの民族衣装でスカートのようなものをはくが、その下は
スッポンポンという)
2.それまで、Yシャツでパンツの代用をしてたこと。
3.あっちの連中は、肉食の所為もあるんだろうが、事後ケツをよく拭かぬらしい事。
黄金週間もやっと終わった。
帯:ふんどしは日本男児の専売特許か。イエス・キリストの下着は腰巻きか、パンツか。
人類史最大の謎(タブー)に挑む。天地がひっくり返る、禁断のエッセイ。
『ちくま』2001年8月号~2003年7月号連載を単行本化。
米原さんが興味・関心の赴くままに資料を集めひもとく過程をみせてもらうのはやはりおもしろい!
得意のロシアにとどまらずヨーロッパ、聖書や日本古典まであたってパンツやふんどしの世界の奥深さを
垣間見せてくれた功績は大きいと思います。
(From Amazon, customer`s revue)
のつづきです。
欧州製のYシャツの長さについて;
父の赴任先だったチェコのプラハで過ごしたわたしは、ヨーロッパの男たちも、
つい最近までは猿股などはかないできたという厳然たる歴史的事実を確認することになった。
ワイシャツがいまも必要以上に(膝に届くほどに)長くて側面にスリットが入っているのは、
その名残だ。ワイシャツの前身頃の下端とと後ろ身頃の下端で股を覆う。
彼らのズボンの中はそうなっていたらしいのである。もちろん直に見たことはないが。
念のため。
つまりてっとり早く言うと、前後の生地でお尻とですね、たまタマちゃんをば、すっぽり包んで
いたという訳ですね。
だから、ロンドンで買ったシャツも日本のより長めだったんですなあ。
前に読んだ服飾史の本では、Yシャツの先端部が黄金色に染まっている のが普通だったとあった。
つまり、雲固した後、よく拭かずに ー 或いは全然拭かずにズボンをはいちゃうんですね。
(これは18,19世紀の話)
ハナシはシベリア抑留の日本人の証言(多数)に戻る。
かれら(ソ連兵)は、事後、拭かずにズボンをあげてしまうので、「ルパシカ(シャツ)の下端が、
そろいもそろって黄色というか茶色っぽくなっているんです」
(紙というものは、収容所の便所には存在しなかった由)
われわれ日本人の感覚では、「事後」何の処理もしないのは、信じ難いことだが
現実に当時はそうだったことが了解される。 不潔だなあ!
長くなるんで終わりにしたいが、述べたかったことは、
1.欧州ではオトコは猿股を数十年前まで着用していなかったこと。
(いまでも英国では、ケルトの民族衣装でスカートのようなものをはくが、その下は
スッポンポンという)
2.それまで、Yシャツでパンツの代用をしてたこと。
3.あっちの連中は、肉食の所為もあるんだろうが、事後ケツをよく拭かぬらしい事。
黄金週間もやっと終わった。
帯:ふんどしは日本男児の専売特許か。イエス・キリストの下着は腰巻きか、パンツか。
人類史最大の謎(タブー)に挑む。天地がひっくり返る、禁断のエッセイ。
『ちくま』2001年8月号~2003年7月号連載を単行本化。
米原さんが興味・関心の赴くままに資料を集めひもとく過程をみせてもらうのはやはりおもしろい!
得意のロシアにとどまらずヨーロッパ、聖書や日本古典まであたってパンツやふんどしの世界の奥深さを
垣間見せてくれた功績は大きいと思います。
(From Amazon, customer`s revue)