一月のある寒い平日、その日は休みだった。風が吹きすさび、家でごろごろ
していた。時は一時半ころ。腹の虫が鳴り出した。
きょうは焼きそばにしようとおもいたち、冷蔵庫を覗いた。

ぴーまんたまねぎもやしがあったが、肝腎のきゃべつがない! 舌打ちしつつ
上の棚をみると、おれっちのでえすきな魚肉そうせいじがある。それに蛸の残りも
あったんで、すぐさま準備にかかる。麺材料を一緒にしボールざるに入れ、水をかけ
軽くきっておく。

きょうは庶民的なそうす味にしよう!(いつもは牡蠣油と醤油をその日の気分で
ブレンドし酒でのばすー前もって器に入れてやらないと、牡蠣油が塊でドバッと
出てくるんでとんでもねえことになる。いつかスターオーさんのとこで、鍋に直接
入れて。。という記事が出てたっけ。みんな失敗してんだよね)

中華鍋を強火で熱し煙がもうもうと出てきたら油をごくごくと入れて、もっと熱くする。
火は全開のまま。
鍋底で油が踊り出した頃合も見、一気に材料麺を投下! ぱあっと一瞬油がはねあがる。
この瞬間と同時に、1メートル横に避難(後ろは行けないんで)!
すぐに掻き混ぜて粒胡椒そうす注入。
その直後待てよ、やっぱカレー味も欲しいなとおもい、急いでSBのカレー粉を出し、
しこたま振りかけ、大きく何回か掻き混ぜて火を止める。余熱ですこし置いとく。

いちばんでっかい皿に盛り、ふうふうはあはあしながら喰らいつく。
そうすとカレー粉のなんともいえぬ深く濃い味が食欲を更に刺戟し、野菜たちの
甘みと魚肉そうせいじの少しざらついた舌ざわり、蛸のぷりぷりした感触が口中に
渾然一体となりどうにも堪んない。これにまた一味唐辛子も加え、ひいひい言いつつ
野菜ジュースで流し込んで行く。それらをおかずにしてご飯も喰いたくなっちゃった。
なんたるしあわせ

うめえうめえといいながら喰い終わり、はあーっと息をして口を拭いてたら、汗が全身から
吹き出し、暑くなってきた
そこへパソコンにかじり付いていたぎゃる(デイトレーダー)がにじり寄ってきた。
ねえ、ぱぱ、おねがいがあるの。おれっちは反射的に身を引いてしまった
(つづく)