このディスクもイワキのブラームスと一緒に予約したもので、やっと先週末に
来た。ほぼ七ヶ月かかった。
(オケがVPOで珍しいので。。)

ボーイの知る限り、クレンペラーのレコードは、今まですべてエンジェル(英EMI)
からリリースされており、オケはフィルハーモニアかニュー・フィルハーモニアだった。

このディスクは、ウィーンフィル(VPO)で68年5月19日のウィーンの
Musikverein(楽友協会)でのライヴ録音。拍手も入っている。

5-6回聴いたが、出だしからどうもノリがよくなかったようだ。
とにかくテンポがやたら遅い。(ベームも晩年超のろかった)
練習時間が殆どなく、ぶっつけ本番に近かったんだろう。

数分進むとやっとVPOもクレンペラーの指揮に反応し出し、
その超遅いテンポに慣れてきた様子が伺える。


2、3楽章になると熱気が漂い出し、クレンペラーのペースになって行く。
終楽章は完全に指揮者の勝利で、VPOを完全に掌中におさめて圧倒的で
重厚、モーツァルトの最後の交響曲にふさわしい壮大な世界が現れる。
これはもうベートーヴェンのシンフォニーと紙一重だ。

余談。
きょう帰りの電車で「図書」4月号を見ていたら、青柳いづみ子がこんなことを書いている。
タイトルは「音楽家は悪人?」。

クレンペラーは無類の女好きで、魅力的な女性に会うたびに言い寄る癖があり、
警察沙汰になることもまれではなかった。