先日、中野美代子さんの「砂漠に埋もれた文字」をとりあげたが、
パスパ文字に関連して、当時の中国音表記について述べている箇所
がある。日本語にはない有気音無気音(中国語を勉強したことがある
方はご存知とおもう)で、われわれが苦労する点である。
(もっともボーイは全く駄目なんで。。)有声音無声音とはちがいます。

それとは別だが、日本語でお馴染みの言葉が各音で比較されているので
写しておきたい。

左から、 唐音  呉音  漢音
蒲団  ふとん ふだん  ふたん
緞子  どんす だんし  たんし
暖簾  のれん なんれん だんれん
般若  ほや  はんにゃ ばんじゃく
算盤 そろばん さんばん 同左 
胡乱  うろん ごらん  こらん

われわれは、無意識のうちにいろいろな音(おん)を使い分けている。
すごいなあとおもう。

上に続き、女史は-onとなっていた逝江音を、わが留学僧が聞き取って
呉音漢音におけるア段をオ段に直したものである
、という。

千数百年前の古い中国の音をキープしている日本の音声上の歴史になんとも
言えぬ感慨を覚える。